【名探偵コナン】続・天使のはしごを登るとき【爆処組】 (ページ8)

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チーン

やっと向き合えるようになった、部屋の片隅の小さな仏壇に手を合わせる。

「ごめんね、なかなか立ち直れなくて、話しするの久しぶりになっちゃった」

懐かしい、笑顔の研二くんの写真に向かって一人で話しかける。

「今、なぜか松田くんがすごく世話焼いてくれてるの。見てくれてたら、知ってるかな？

研二くんのことは忘れられないのに、松田くんと居るのも楽しいの。

ねえ、裏切ったって思ってる？

大好きな人を失ったのに笑ってるって、怒る？

研二くんを好きな気持ちは少しも無くなってないの。むしろどんどん大きくなってる。

でも会えないから、その寂しさを松田くんが埋めてくれてるの。それだけなの。

研二くんがいなくなった日のことも、もしかして見てた？

その事で松田くんを責めたりしないでね。あれは、不安定な私を繋ぎ止めてくれただけだから。

それ以降もすごく助けてもらってる。私一人だったら、すぐに研二くんの所に行ってただろうし。

でもやっぱり寂しさはなくなってなくて、

…ねえ、逢いたいよ、触れたいよ

………抱き締めてよ、研二くん」

仏壇の前、ひとつだけ置いてある座布団にぽたぽたと歪な模様ができていった。