【名探偵コナン】ゼロの愛し子 番外編【降谷零】

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これまでにないスピードで仕事を終わらせ、運動会に駆けつけた。

ギリギリだったな…。

こっちを見た(人１)に頑張れとうなずき、その目から不安が消えたことに安堵する。

後はもう応援するしか俺にできることはないんだな、と親の役割を実感した。

ーいいか、走っているときはただ前を見ろ。周囲のことは考えるな。手を振れば足も動く。


(人１)は、スタートで失敗した。ピストルの音に驚いて、走り出しが少し遅れたのだ。

全力で走ったが一歩及ばず、結果は６人中３位。

ゴールした(人１)は、一度も顔を上げずに退場した。


『ただいまから一時間、昼休憩に入ります。』

そう放送されて数分後、コナンくんや歩美ちゃんたちに手を引かれて(人１)は来た。

「Aちゃんのお父さん(安室さん)、こんにちは！」

「こんにちは、ほら(人１)、お弁当作ってきたから食べようか」

子供達がそれぞれの家族の元に行ってからも動かない(人１)の顔を覗き込むと、瞳には涙が溜まっていた。

速くなったな、(人１)。と撫でてやる。

「…でも３ばんだった。いっぱいれんしゅうしたのに。」

「３人も抜いたんだ、すごいじゃないか。頑張ったな。スタートの練習はしてなかったからな…。来年はそれが目標だな。」

「うんがんばった…。」と泣く(人１)を抱き上げ、昼食をとるのだった。

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