【名探偵コナン】ゼロの愛し子 番外編【降谷零】

一大イベント ページ19

残暑のあるこの季節。もう長い間縁がなかったイベントだから、言われるまで気がつかなかった。

「あのね、お父さん！」

やけに弾んだ(人１)の声に、どうした？と返すと、どうやら運動会の練習が始まったらしい。

「ダンスとね、あとね…かけっこがあるの」

声のトーンが急に落ちた。

「(人１)は、走るのは苦手なのか？」

正解だったようで、暗い顔でうなずいた。

どうやったら速く走れる？と訊かれても、もはや感覚なので説明は難しい。

「そうだな…。夕食前に少し一緒に走ってみるか？」

「いっしょにれんしゅう？する！」

時々一人で走っているコースを、かなりペースを落として走る。

(人１)の年齢の基準がよくわからないが、これではきっと遅いのだろう。

「よし！じゃあ今日の練習はこれだな！」

ここからここまでダッシュ１０…いや５本。

こればっかりは数をこなすしか上達の道はない。

成果が分かるようにタイムを測りながら、手の動かし方等をアドバイスする。

「ほら、まだ少しだが速くなってるぞ」

コンマ数秒ほど縮んでいっている記録を見せてそう言うと、目を輝かせて

「明日もがんばる！」と奮起していた。

かわいいので、俺にできる限りはサポートしていこうと思う。

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