【名探偵コナン】ゼロの愛し子【降谷零】

日常６ ページ7

風呂場から出てきた（人１）の髪からポタポタと音をたてて雫が落ちていた。

思わずバスタオルで捕まえ、わしゃわしゃと少し乱暴に拭いた。

タオルの中から時折小さな笑い声が聞こえて安心した。少しは受け入れられたかな、と。

「よし、（人１）。まだ少し濡れているからドライヤーを持ってこい。」

そう言って（人１）を解放したが、なかなか戻ってこない。

風呂場に見に行ってみるとドライヤーを見上げている（人１）が居た。

「そうか、届かないのか。ほら、これで取れるか？」

脇に手を入れて抱えて、やっと届く高さだった。これは置く場所を変えなきゃいけないな。

ドライヤーを手に入れた（人１）を抱いてリビングに戻った。

脚の間に座らせて髪を乾かしてやる。少しだけ家族に近づいた気がした。

布団を前の家から持ってきたため、それぞれの部屋で寝ようと、（人１）を布団にいれて電気を消し、自室で残りの仕事をしていると、そっと部屋のドアが開いた。

「どうした？眠れないのか？」

声をかけると、ぱたぱたと足元に寄ってきて

「…がんばったけどひとりではねられなかったから、いっしょにねてもいい？」

…俺の中の何かが撃ち抜かれた。

もちろん一緒に寝た。

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