アイドルに恋した結果��

57.柑橘の香り ページ8

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「あ、」
『？』



手伝うと言っておきながらただただ私の手先を見守っていた蓮が急にどこかへ行ってしまった。
ほんとに自由な人だな、The B型って感じ、笑



そういやSnow Manのプロフィール見たら深澤さんもB型だったな、蓮よりしっかりしてそうだけど。






…

……





ご飯をよそっていたら、

「はい、これあげる」

と目の前に出てきたのは可愛いリボンが掛けられたボックス。




びっくりして蓮の顔を見れば、走ってきたのがさらさらの髪の毛が少しだけ乱れてた。





「あげようと思ってたの、忘れてたわ」

『え？なに、？』

「大したのじゃないよ。開けてみて」




しゃもじを置いて、箱を受け取ると
想像してたよりも重たくて、

……なんだろう？








開いてみると、太めの筒のようなものと、茶色の小瓶が4つ。





「これ、ディフューザー」

『ディフューザー？』

「そ。アロマの。俺が使ってみて案外良かったからさ。いい匂いだし、よく寝れるの。Aにもあげる」




嗅いでみ？って言われて
ひとつの瓶を蓮が開けてくれる。

主張しすぎない優しい香り。柑橘系で、私も好きな匂いだった



……アロマなんて、オシャレすぎる。






『ほんとだ、いい匂いする。
……でも、なんで？なんかあった？』

「別に？アロマ見てたらAの顔浮かんだから、無意識に買ってたわ」

『……、ありがと』





……私の顔浮かんで無意識で買うとか、どういうことよ、


付き合ってもない男の人からプレゼントなんて、初めてで。いかにもモテそうな蓮からしたら当たり前のことなの？





蓮の元カノや、……もしかしたら今現在もいるかもしれない彼女のことを考えたら少しだけ胸がズキっと傷んだ。


ラウの発言を聞く限り、居ないんだろうけど…いや、どうなんだろう、言ってないだけかもしれない。






……わたし、何考えてるんだろう。






そんな私の気持ちなんかつゆ知らず
「おーうまそー」と、焼いたお肉をつまみ食いした蓮。

口のはしっこに付いたタレにも気づかないで美味しそうにモグモグしてる。







「これ、持ってくね」
『あ！うん、お願いします。』








最近、おかしい。


蓮のことを考えると嬉しくなっちゃうし、恥ずかしくなるし、たまに苦しくなるの、



…こんなのまるで、蓮のこと好きみたいじゃん、





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