84.離さない ページ35
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『あ、……蓮だけなの?』
部屋の中にはラウもナツミもいなくて、
蓮ただひとりだけが待っていたらしい。
「うん。ナツミちゃんに聞いたら、Aは今スペア持ってないはずだって言ってたからさ。どうやって帰ってくんのかと思って、待ってた」
ラウは仕事だし、ふたりとも俺が送ったよって言いながら、ソファーに腰掛ける。
『そっか……ありがとう。』
少しの間の沈黙、
言いたいことはたくさんあった。
今日の朝、怒って逃げるように出ていってしまったことは謝りたいし、
会うのは控えた方がいいってことも伝えなきゃいけないし、
あぁ、どれから話せばいいんだろう
そう悩んでいるうちに、先に沈黙を破ったのは蓮だった。
「……かわいい」
「マジで可愛いよ」
驚いて彼の方を向けば
真剣な顔でわたしを見つめてて、
『ど、うしたの、』
ドキドキしすぎて、上擦ってしまった声が恥ずかしい。
「俺、今朝めちゃくちゃ嫉妬して、似合ってないとか思ってないこと言った。
ほんとはその服も髪も、化粧も全部Aに似合ってる。可愛い」
可愛い、可愛い、と何回も連呼してくる。
好きな人にそんなこと言われたら、そろそろ私の心臓がもたない。
「ふっかさんに嫉妬しすぎてどうにかなりそうだった、」
『どうして、嫉妬なんかするの』
「さっきも言ったでしょ。好きだからだよ、Aのこと」
『っ、』
「ねぇ、A。ふっかさんのものになんないで。」
ぐっと引き寄せられて
バランスを崩したわたしは蓮の腕の中。
どくん、どくん、と早めのリズムで心臓の音が聞こえる。
…これは、わたしの?それとも、蓮の?
「待ってる間、不安で仕方なかった。Aとふっかさんが付き合ったらどうしようって、ふっかさんって大人だし、かっこいいから、取られるって怖かった」
蓮がこんなに素直に自分の気持ちを話してくれるのは初めて。
どうしよう、一言一言が嬉しすぎて、
わたしも「好き」って言ってしまいたい。
「A、好き。俺にして。
俺と付き合ってよ」
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芹那(プロフ) - mさん» mさま、有難いお言葉...ニヤついてしまいました・゚゚(>_<)゚゚・目黒くんのこと上手く書けていたのでしょうか( ºΔº ;)いつもヒヤヒヤしながら打ち込んでいたので嬉しすぎます、、Twitterまで、、ありがとうございます!コメントに癒されました。。頑張れます。。 (2020年9月23日 20時) (レス) id: 35aa7b3638 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 全然目黒担じゃないけど、芹那さんのかくお話の目黒蓮が想像の目黒蓮すぎて好きです。お話いつも楽しく読ませていただきました!完結になってしまったの寂しいのでTwitterをフォローしてしまったぐらいに好きです。笑 (2020年9月22日 23時) (レス) id: 3ffce78c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芹那 | 作成日時:2020年9月6日 21時