67.いつもと違う ページ18
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『…!、びっくりした…もう起きてたの?』
「……おはよ。」
『おはよう、』
ナツミが「Aが行くまでもう一眠りするわー」と再度いびきをかき始めたので、わたしも着替えと化粧を済ませてリビングに来た。
そしたら、スマホをいじってる蓮の姿。
『てか蓮って朝早いんだね?この前も起きてたし』
「いつもはこんな早くないよ」
『へー……そっか、』
少しツンとした言葉に、なんて返せばいいのかわからなくなる。
蓮の座るソファーの下で、枕に大きなシミを付けながら眠るラウ。……起きて。ヨダレ垂らしてないで起きて。
『なんか食べる?言ってもパンしか無いんだけど、』
キッチンに立って、冷蔵庫を覗いていたら、
「なに気合い入れてんの?」
ぱたん、と音をたてて閉められた、蓮の手によって。
「髪の毛だって普段こんなのしねーじゃん、」
『え……』
ぐいっと寄せられた顔に思わず後退り。
だんだんと蓮が近づいてきて、壁に追いやられる形になっている。
蓮との距離が縮まる度に、どくどくいってる胸の音が聞こえるんじゃないかって不安になった。
「…短いし。露出多すぎ、」
「そういう化粧だって、似合ってねーし、」
「なんで、ふっかさんのために、『いいじゃん。女だもん、誰にでも可愛く思われたいよ』
文句ばっかり、否定ばっかりしてくる蓮に、つい反抗してしまった。
…なんでそんな風にいうの、
蓮がいつもくれる言葉は嬉しかったはずなのに
今朝の蓮の言葉は全部胸が痛くなって、苦しい。
「……あーそうですか。まぁ、勝手にすれば、」
呆れたようにそう言って、わたしから離れた蓮。
なんで、
なんでそんなつけ離すようなこと言うの。
『……鍵、ここ置いとくから。帰る時郵便受けに入れといて、……冷蔵庫の中の自由に食べていいよ』
「…は、」
それだけ告げて、もともと用意していたバッグだけを持って外に出た。
溢れた涙が、見られないように。
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芹那(プロフ) - mさん» mさま、有難いお言葉...ニヤついてしまいました・゚゚(>_<)゚゚・目黒くんのこと上手く書けていたのでしょうか( ºΔº ;)いつもヒヤヒヤしながら打ち込んでいたので嬉しすぎます、、Twitterまで、、ありがとうございます!コメントに癒されました。。頑張れます。。 (2020年9月23日 20時) (レス) id: 35aa7b3638 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 全然目黒担じゃないけど、芹那さんのかくお話の目黒蓮が想像の目黒蓮すぎて好きです。お話いつも楽しく読ませていただきました!完結になってしまったの寂しいのでTwitterをフォローしてしまったぐらいに好きです。笑 (2020年9月22日 23時) (レス) id: 3ffce78c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芹那 | 作成日時:2020年9月6日 21時