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気づけば涙が溢れていた。
好きな人には好きな人がいる。どう足掻いたっていい方向には進まない。
「泣かせちゃってごめんね…。このこともっと先に言えばよかったよね」
「うん…言ってほしかった」
言われたところで諦められたかと聞かれたら
はい とは頷けないけれど。
「好きな人とは…上手く行ってるの？」
知りたくないけど知りたかった。
「ううん。全然ダメなんだ
完全に俺の片想い…」
彼は切なげに夜空を見上げた。
「そうなんだ…」
なんて声をかけてあげるのが正解か分からなかった。
「もう3年は経つかな。そろそろ諦めろって話なんだけど」
自嘲する彼の姿に心が打たれた。
「ずっと俺は…ミユへの気持ちを消すことなんてできなかった」
ミユ…。彼の好きな人のことだろうか。
とても愛おしそうにでも苦しそうに好きな人の名前を呼ぶ彼は少しだけ震えていた。
たまたまなのかな。私がさっき彼に言ったことに重なったのは。
「平野くんは一途なんだね…」
きっとすごくモテるだろうに3年間も同じ人を好きで居続けるんだもん。
「そうかな…」
「うん…」
「けど俺すげー最低な奴なんだよ」
「どうして？」
彼の方を見れば、ぽつりぽつりと彼は話し出した。
「俺は好きな子のことを想いながら他の女を平気で抱いたりするんだよ」
「好きでもない子と遊んで、どうしようもない思いからくるストレスを発散してんの…。ね？最低でしょ」
そんなことを話す彼はどこか苦しそうで胸が熱くなる。
「だからAちゃんみたいな優しい子は俺なんかのこと好きになっちゃダメ。早く嫌いになったほうがいいよ」
私を見つめてふわりと笑顔を作った彼。どうして笑うのよ。
「なんで…なんでそんなこと言うの…」
「嫌いになんかなれないよ…！」
涙を流しながら話す私に対して彼は目を見開いて驚いていた。
嫌いになれるならなりたいよ。
でも無理なんだよ。
だってあなたがずっと苦しんでいるってことが分かってしまったから。
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來(プロフ) - やんやんさん» とっても好きな作品と言ってもらえてとても嬉しいです(^^)切ないですよね…。これからも切ないシーンが出てくると思いますがお付き合いお願いします(>_<) (2020年10月6日 23時) (
レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - munさん» 二人とも好きな人が原因で辛くなってるんですよね…。自分でも書きながら切な！！って思ってました… (2020年10月6日 23時) (レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 初子さん» はじめまして。ドキドキをお届けできているようでよかったです！ありがとうございます(TT) (2020年10月6日 23時) (レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
やんやん(プロフ) - いつも涙ポロポロ出しながらぎゅーんと切なくなりながら見ています（ ; ; ）とっても好きな作品です。 (2020年10月6日 21時) (レス) id: 97979cb1f9 (このIDを非表示/違反報告)
mun(プロフ) - 44ページの最後、お互い苦しいでしょうね・・・平野君にとっても嫌だし、それを聞いてしまった夢主も嫌だろうし・・・なんだかとても切ないです。 (2020年10月5日 17時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來
| 作成日時：2020年9月16日 22時
