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佐久間さんは、嵐のように私の心を掻き回し、そして嵐のように去っていった
私達の物語の終わりを告げたのは、ポストの中に入れられたスペアキーの存在だった
あの時はあんなにも取り乱していたのに、不思議とその明確な終わりがそこにあると、こんなにもあっさりとしていた
ほんの少し泣いて、すぐに佐久間さんが残していったものは纏めてゴミ箱に捨てた
これで、良かったんだと思う
むしろ、それが遅かったくらいに
私達は限られたこの空間で、互いを補うふりをして、ただ自分自身を可愛がるだけの存在だった
歪な関係に何かの意味を与えるほど、私達はキレイなものでもないから
貴方が、この家を出ていくとき、どんなことを思ったのかな
泣いてた？
怒ってた？
私に向けた感情が最後は何だったのか、それはきっともう二度と確かめられるものでもないから
都合の良いように解釈しておくね
そんなの、お互いに得意なことでしょ
佐久間さんが居なくなった空間は、随分と居心地の悪いものになっていた
不慣れな生活に慣れるまで、そばに居てくれたのはやはり涼太だった
彼は何かを察したのか、それとも知っていたのか
それは確かめられないけれど
もう、彼が居ないここは、夢でも何でもない
最初から、現実だったから
私はその世界で、一人で立たないといけない
きっとそれは、彼も
何も生まなかったこの空間を、ただ無かったものにするには、あまりにも美しく、儚いもの
どこかで息をしている彼を思って、もう孤独に心が支配されないように
彼に支配された私は、彼によって手放された
鮮烈なその存在は、いつまでも眩しくてまともに見えやしない
だから、どうか、こんな私の中身の色んなものをグチャグチャにした貴方が、
美しい世界で舞っていますように
歪な関係に終焉を
歪な想いに鍵を
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なむる。(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！この作品自体を美しいと言っていただけること…これ以上に嬉しいことはないです！また新しい作品でも出会えること願ってます。ありがとうございます！ (2021年2月10日 6時) (
レス) id: 74f22f9e0f (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 凄いという言葉しか出てこない、語彙力の無い自分が恨めしいです。セリフや文章表現の仕方など、とにかく美しい作品をありがとうございました。 なむる。さんの作品が大好きなので、これからも応援しております。 (2021年2月10日 1時) (レス) id: bdef6e19e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なむる。 | 作成日時：2021年1月14日 22時
