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目の前のとびきり魅力的な笑顔。でも相変わらずわたしには、考えが読めない。



「あの……わたし、やっぱり」



やめます、と言いたくて。

すっかり怯えて逃げようとするわたしに、永瀬くんははっきりと宣言した。



「いや、もう逃がさない。

ドラえもんの恩をもう忘れたの?意外と薄情だな。」


痛いところをつかれて黙ってしまう。

なんだか、もうすでに先生と生徒の構図が出来上がっている気がする。
もしくは主人と忠犬…

今更ながら、彼とわたしの間の圧倒的な人間レベルの差を感じる。

初めから敵うはずがなく。


これから翻弄される予感に身震いした。



「それに俺、聞いちゃったから。
Aの変わりたいって言葉」




それも言ったそばから後悔し始めているんだけど……。




「……っ。だけど」



「じゃ始めに、廉って言ってみて」



目を丸くするわたしに、永瀬くんは付け加えた。



「俺の下の名前。プロデュースするかわりに、そう呼ぶこと」



唖然として固まるわたしの顔に、永瀬廉は手をさしのばす。

ぴくりとしてもおかまいなしに、彼はわたしの長く伸びきった前髪を持ち上げて抑えた。



「かなり長いね」


「……う」



普段表情を隠すために伸ばしていた前髪がなくなり、露わになる。


真っ赤になって、プルプルと震える。

やめてほしいという思いを込めて、


「……あ、あの」


「名前よんで。よぶまでやめない」


彼は容赦なく、にこりと告げる。


……こういうの、なんていうんだっけ。


えっと、永瀬廉は、実はドS…?





黙っていても本当に離してくれないので、わたしはやっとの思いで口を開く。


「れ、廉、くん……」


震えるような声だったけど、顔も真っ赤だったけど、なんならほんとに全身震えていたけど、永瀬くんは満足そうにうなずいた。



「うん。
かわいいじゃん、やっぱ」



今度こそほんとに真っ赤になったわたしを、永瀬廉はおかしそうに見て、笑った。




みんなの前で見せる顔とはすこし違う。


無邪気な表情に、すこしだけ胸が高鳴ったのは、見ないふり。



「とりあえず明日の放課後から、わらし改造計画始めるから。

逃げるなよ、A」



びし、っと指を刺され、今度は恐怖に胸が高鳴った。








ただの気まぐれかもしれない。

けど、信じてみたい自分もいる。



きみと出会って、もしかしてなにかが変わるの?

今日から始まる、きみとわたし、2人だけのヒミツの授業。

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設定タグ:永瀬廉 , King&Prince , 平野紫耀   
作品ジャンル:タレント
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こんぶ(プロフ) - はじめまして。とーーーーーーーっても面白かったです!店舗もよく長さもちょうどよく、スラスラ読めました。主人公がどんどん廉くんに変えられていって、色づく二人の世界がもっと見たくなりました!付き合ってからの続編とか…希望です^^* (2019年12月30日 3時) (レス) id: d4a749af9f (このIDを非表示/違反報告)
菜 子(プロフ) - yukiさん» yukiさん、ありがとうございます!お話が好きと言っていただけて嬉しいです。次回作、まだ未定ですが考えているので、upした際は読んで頂けたら嬉しいです! (2019年9月26日 14時) (レス) id: de17d94e28 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - お疲れ様でした!!お話が好きで更新がとても楽しみでした!次も楽しみです! (2019年9月25日 16時) (レス) id: 5a8ccb1156 (このIDを非表示/違反報告)
菜 子(プロフ) - Sさん» Sさんありがとうございます!ご期待に添えるか不安ですが笑いちゃいちゃさせられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年9月22日 11時) (レス) id: de17d94e28 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 本編完結おめでとうございます!番外編でれんくんといちゃいちゃしてるとこいっぱい見れたら嬉しいです! (2019年9月22日 7時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜 子 | 作成日時:2019年9月18日 13時

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