第12話 轟SIDE ページ10
右手の痛みの正体は、輪生の元の低体温を“超向上”した氷。
掴まれた右手にはくっきりと、輪生の小さな手の跡がついていた。
俗にいう…あれだ、低温やけどってやつ。
「……ごめんね、轟くんが可愛くて、つい」
「……嬉しくねえぞ、それ」
そしてあっという間に核を回収されてしまった。
今回の授業で分かった。
コイツは、学年1位どころかすぐにでもトップヒーローになれる逸材。
しかし、肝心なところでは何故か手を抜いている…可笑しなヤツ。
「なあ、お前なら入試なんて1位で通過できたはずだろう。
なのになんで…
…いや、それよりもお前のような強いやつを何故雄英が推薦しなかったのか分からない。
俺が教師側なら真っ先にスカウトしている」
「あは、ありがとう。
でも言ったでしょ？ ぼくはこの個性が嫌いだって。
……嫌な事を思い出すんだ。 だから今まで使わずにいた。
使わなければ周りはそれを“個性”とは認識しない。
そしたら、スカウトもクソもないんじゃない？
大体…増強型なんてそこらへんにワンサカいるしねえ」
輪生の言葉に、俺は納得をした。
嫌いだから使わない。
2つの個性持ち。
俺と同じ…境遇は違えど、アイツと俺は似た部分がたくさんある。
そしてあの時の表情。
渇望し、飢えた、獣のような瞳。
いつもとは違う狂気じみた笑顔。
―――お前は、一体何を抱えているんだ。
「……お前の言う“希望”ってのは、なんなんだ」
俺は訓練中の輪生の言葉思い出し、そう尋ねた。
アイツは、何かを求めている。
それが何かは分からないが、それがその“希望”と繋がっているのはたしか。
アイツは言った。
俺に“この場じゃ君がぼくの希望なんだよ”と。
一体、それになんの意味があるのか。
「俺が、お前の希望なのか」
俺がそう言うと輪生はフフ、と笑った。
「うん。 そうだよ、そう“だった”んだよ」
――でもやっぱり、違ったみたい。
輪生の言葉が、俺の胸に深く突き刺さった。
……なんだ、なんなんだ、この苦しさ。
息をするのがつらい。 輪生の、泣きそうな笑顔が…辛い。
なんでそんな顔するんだ。
俺が希望だった？
そうさせたのに…違った？
もう訳が分からない。
グッ、と胸辺りの服を掴むと、輪生は俺に近づき、苦しいの？大丈夫？ と声をかけてきた。
「――苦しいのは、お前の方じゃないのか」
口が勝手に、そう動いた。
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奏 - えぇ…なくなってる………;つД｀)続編が欲しいです………(ノД`)・゜・。 (8月8日 17時) (
レス) @page38 id: 197e9c1dfa (このIDを非表示/違反報告)
ルミナス - 続編はどこへ、、続きが気になる。。神様教えて (2023年1月21日 19時) (レス) @page38 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - ページが見つかりませんでした！？！？続き気になる…！ (2022年8月9日 10時) (レス) @page38 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
neruB(プロフ) - 続編なくなっちゃったんですか？ (2022年5月4日 6時) (レス) id: ac49fababa (このIDを非表示/違反報告)
こうめ(プロフ) - 紫苑の花………花言葉は、追憶でしたっけ？（書きたかっただけ (2021年4月19日 23時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年10月9日 1時
