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「……っ!…お……のお……伊野尾!!」
急に電流が走ったような感覚を覚え、
びくっとする。
見渡すと先ほどと同じ部屋にいた。
絶望した伊野尾は、
肩をつかまれた温かさに目を見張る。
「おい!聞いてんの伊野尾!」
視線を上げるとそこには、
いつものくしゃとした笑顔の君がいる。
自分の手を開くも、そこには何もない。
あの日と同じエプロンをつけているし、
机の上には腐敗していないからあげがある。
薮の頭には包帯もないし、遺影も。
……やぶ?
どうして薮がここに?
ぱちぱちと瞬きをする。
どうした?と言われるのを無視し、
頬に手を添える。
「あったかい」
棺桶の中の冷たい頬とは違う、
柔らかなそれに涙が出る。
「な、泣いてすむ問題じゃないから。お前の、お前の泣き顔くらい見慣れてるからね」
「…ふ…ぁ、ひっく」
「だ、だいたい伊野尾が俺の愛が足りないとか言うからだろ」
「…あ……うぁ…ふっ、」
「な、なんとか言えよ!?」
ごしごしと部屋着のスウェットの袖で
涙を拭われ、覗き込まれる。
潤んだ瞳をあわせると、
薮がまた涙を拭いてきた。
「言い返したら!?」
それでもまだ怒っているのか、
言い返さない伊野尾に
どう対応していいのか分からないのか、
とげとげしく言ってくる薮に抱きつく。
「すき」
胸に顔を押し付け、
くぐもった声を出すと薮は固まった。
密着した胸からは心臓の音が聞こえる。
規則正しく、
とくとくと音がするそれが聞こえるのが、
信じられないくらいに嬉しい。
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ま つ り。(プロフ) - 伊野尾ゆいさん» そんなそんな、ありがとうございます! (2018年2月13日 7時) (レス) id: 28c1963f62 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾ゆい(プロフ) - こんばんは 読ませていただきました涙が止まらなくなりましたとても感動しました!(´;ω;`)ウッ… (2018年2月13日 1時) (レス) id: acab45e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
??えむちゃん??*(プロフ) - こんばんわ!とても素敵なお話ですね。!今更ですが一気読みさせていただきました!大号泣してしまいましたヽ(;▽;)ノヽ(;▽;)ノ (2017年12月18日 23時) (レス) id: 37a0dee797 (このIDを非表示/違反報告)
まるごろう(プロフ) - 結局薮ちゃんの死は夢だったんですか? (2017年9月3日 15時) (レス) id: d59f6a9eff (このIDを非表示/違反報告)
*まつり*(プロフ) - 桜愛《さくあ》さん» 感想ありがとうございます!どちらでも好きな方に受け取って頂けると嬉しいです!伊野ちゃんが未来を見ていた、タイムワープで過去に戻った、伊野ちゃんもしんであれはすべて伊野ちゃんの中の話など…のつもりで書きました。読んで頂きありがとうございます♪ (2016年8月6日 20時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま つ り。 | 作成日時:2016年6月10日 20時