【東京卍リベンジャーズ】零番隊隊長は静かに過ごしたい。

兄には敵わない。 ページ48

｢A｣

｢なに、イザナ兄｣

｢お前最近ケーキ食べてるか？｣

｢んー、そこそこ？｣

何故かイザナ兄が家に入った時最初に言った言葉がそれだった。

｢お前、寝てるか｣

｢んー、まぁまぁ｣

｢出かけんぞ｣

｢え、｣

そう言うと手を握られ家の外まで連れ出されました。

｢どこ行くの？！？！｣

｢買い物に｣

｢何故？！｣

｢…｣

いつも優しいイザナ兄。



何故か今日は余裕がなさそうです。


｢これ、Aに似合いそう｣

白のワイシャツ。

黒のミニスカート。

｢だけど、これだな｣

口元まで隠れそうなダボダボの黒のパーカー。

それに合わせている綺麗な線が入ったスカート。

｢…可愛い｣

でもね。

｢イザナ兄の御下がりも気にってるんだよね｣

これと似たような。

でも男の人用だからもうちょい大きい。

｢毎回そればっかだと飽きるだろ｣

｢いや、飽きない。ただ洗濯大変｣

｢そうだろうなw｣

｢うん｣

｢だからこれ気に入ったんだったら買おうぜ｣

｢え｣

｢俺が出してやる｣

｢…いいの？｣

｢あぁ｣

そう言ってお会計まで先に行ってくれるイザナ兄。

くっ。

不甲斐ながらもかっこいいと思ってしまった…！！

というか、めちゃめちゃイケメンです…！！

｢次、ゲーセン行くぞー｣


ボタンで目がとめられていて、縫ったようなデザインの猫ちゃんぬいぐるみ。

これがクレーンゲームの箱の中に閉じ込められていました。

可愛いです。

ですが、

私はこういう等のゲームは壊滅的に苦手です。

そうなるときっとぬいぐるみは取れないのでしょうか、

｢なんだ。それ欲しいのか｣

先を歩いていた筈のイザナ兄が隣にいました。

｢…はい｣

｢ちょっと待ってろ｣

そう言ってまたどこかへ行ってしまいました。

｢またせた｣

そう言いながらも1分も経たずに帰ってきたイザナ兄。

｢取ってやる｣

100円を入れていつも優しい笑顔が消え、真面目な顔をしたイザナ兄。

最初は上手くアームが入ったが、緩いせいですぐに落ちてしまう。

また100円

｢あ｣

最後まで落ちることのなく下に落下しました。

｢取れたぞ｣

わずが300円。

｢ありがとう｣

とてもとても嬉しい。

｢お、喜んでくれたか？｣

｢うん。めっちゃ嬉しい｣

｢そうか。最近思い詰めてる顔してたから。

やっぱりAは笑った顔が1番可愛い｣

そういうイザナ兄。

流石に好きになりますよ。

｢好きな子だけにやるんだよ｣

｢大好きだけど｣

｢天然ですね｣

｢お前がな｣

千冬くんは限界オタク。→←タイムリーパーってマジですか。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す