放浪少女、海賊狩りと外科医のお気に入りらしいです。2

意外 ページ9

貴方side



迫り来る【鳥カゴ】は一向に止まる気配がない


人の力では止められないのは承知の上だが、少しでもスピードが遅くなってほしい


あれから大勢の人々が【鳥カゴ】のスピードを止めようと集まり、バルトロメオの張ったバリアを押している


しかも隣には藤虎の姿。今は捕まえる気がないらしいし、ゾロがいるから大丈夫


それに誰もが同じ思いだろう。今ここで死にたくない









精一杯の力を込めて、【鳥カゴ】に対抗する


麦わらとドフラミンゴの決着はまだつかないの…？


ゾロ｢おいA！｣


ゾロに名前を呼ばれ、ゆっくりとゾロの方を見る。だがゾロは、バッと逆の方を向いてしまった


貴方｢な、なんで逆側向くの？！｣


ゾロ｢いいからこのカゴだけを見て聞け！｣


ゾロに言われた通りに、前だけを見つめることにした









周りの音だけが響く。色々な建物が崩れていく音、人々の掛け声や悲鳴


ゾロが口を開いたのは、しばらくしてからだった


ゾロ｢俺がお前らと行動を別にしたあとよ、その、なんっつうか…｣


言うのをためらっているようで、余計に気になってしまう


そんなに言うのが恥ずかしいのかな？なんて思いつい笑ってしまう


ゾロ｢な、なに笑ってんだよ？！｣


貴方｢だって、なんで恥ずかしがってるのかなーって思って！で、続きは？｣


わざとからかうように続きを催促してみる


チラッとゾロの顔を見ると、ムスッとした表情だ


ゾロ｢し、心配だった…お前のことが…｣


意外な言葉につい固まってしまう


ゾロ｢あークソッ！今のなかったことにしろ、わかったな！？｣


貴方｢う、うん｣


なんであんなことわざわざ伝えてくれたんだろう


それにしても、心配してくれてたなんて…


ゾロに聞こえないくらいの声で、｢バーカ…｣と自分のドキドキした気持ちをごまかすように、思わず呟いた

勝利→←２年前

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す