ふたつの鍵 5−SJ

仕方ないのに ページ42

震える手を止められなくて
ぎゅっと目を閉じると、私の冷えた手を包む大きな手。



そのまま掴まれた手を引かれて抱きしめられた。


目を開けるけど、目の前には肩しか見えない。






だけど、誰かすぐにわかった。


抱きしめられて伝わってくる温度が
寒々としてた心にまで伝わる気がした。




この落ち着くにおい。

ｷｭﾋｮﾝオッパ、でしょ・・？





「私・・今汚いから、離れて」



どうして来たの？



「それにこんなとこで、こんなこと・・
写真撮られたらオッパに迷惑かかる」



私がわるいのに。



「いつ撮られるかわからないから
本当に、離して…」


kh「離さない」






潰されそうなほど、腕に力が込められる。


私、今ジュース浴びて汚いのに・・

冷静にそんなことを考える自分がいる。

とりあえず外でこんなことをしていたら
本当に撮られかねない。



「本当に迷惑かけたら嫌だから中、入ろう」

kh「・・・。」



それでもすぐには離してくれなくて
また一瞬ぎゅっと力を込めて、離れた長い腕。


顔をあげると、私を見下ろすｷｭﾋｮﾝオッパは
いつもと変わらなく見えたけど
すこしだけ、悲しそうな目をしてると思った。




kh「入れて。ユリ風邪ひく。」




着ていた上着を脱いで、私の肩にかけるｷｭﾋｮﾝオッパ。


震えがおさまった手でロックを開けて中に入った。




私がわるいのに。
仕方ないのに。

私は《ミリョンが似合う下品な女》なのに。

できることーkh→←震え

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