ココア ページ20
テウン「寒くないの？」
後ろから飛んできた声に振り向くと
そこに立っていたのは居ないはずのテウンだった。
突然のことに驚いて声が出なかった。
私の横にあった椅子に腰かけてゆるく笑いかけてくるテウン。
テウン「撮影、まだ残ってるの？」
「……。」
テウン「ユリは寒がりなんだから、風邪ひくよ。」
「……。」
テウン「…これ、あげる。」
言葉が出ない私に一方的に話し続けたテウンは
私に何かを差し出すように腕を伸ばしてきた。
思わずその瞬間に腕をひっこめると
差し出したテウンの腕とぶつかって何かが地面に落ちた。
「ぁ…」
ゴンッと音を立てて落ちたのは缶のココアだった。
私の好きなメーカーのココア。
昔、好きでずっと飲んでいたココア。
テウンは目を見開いて驚いた様子だったけど
すぐに落ちたココアを拾って手でほろいだした。
テウン「寒いから温かいうちに飲みなよ。ね。」
「……。」
テウン「…ここ、置くね。じゃあ、これ置きに来ただけだから。」
ココアをストーブの上に置くと私を見て
眉を下げて、ゆるく笑って立ち上がる。
この前も思ったけど、なぜテウンが悲しそうなの…。
撮影スタッフのほうに近寄り、挨拶を交わすと
本当にそのまま帰って行った。
ﾏﾈ「ユリ、今の…。…ユリ？」
昔見慣れた後ろ姿を目で追っていると
いつのまにか電話を終えて戻ってきていたﾏﾈオッパに
急に声をかけられて体がビクッと跳ねた。
見えなくなった後ろ姿をよそに
ストーブの上に置かれたココアを見つめる。
ラッキーアイテム
革ベルト
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heema(プロフ) - ともさん» ともさん、はじめまして^^とっても嬉しいです。ぐだぐだじゃないですか？(泣)すごく頑張れそうです(泣)ありがとうございます。 (2012年10月9日 0時) (
レス) id: 55301c2774 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして、ともと申します。自分を閉じ込めていた私が、優しい鍵となる二人と出逢って、少しずつ心を開いてきましたね。グダグダじゃないですよ、それぞれの心が丁寧に伝わってきて、益々楽しみです。長編も大歓迎！これからも読ませていただきたいです！ (2012年10月8日 18時) (レス) id: d48d7887df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：heema | 作成日時：2012年9月22日 14時
