2.無個性でよかった【死柄木弔】 (ページ15)

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５５話ページ15

どれだけの時間が過ぎたかわからない。

落ち着いた頃には目が痛くなっていた。

この部屋に鏡はないからわからないけど、もしかしたら腫れてるかもしれない。

オール・フォー・ワンは一度も部屋に入ってこなかった。

いや、監視カメラかなんかがこの部屋にあって、別の部屋から見てるのかもしれない。

確か、オール・フォー・ワンはドクターが作った訳のわからん薬が必要だ、みたいなことをどこかで聞いた気がする。

だから、わざわざこの部屋に来ることは無い気がする.......

というか、会いたくない........

これからどうしようか。

蓮には弔を救うかどうかをじっくり考えると約束した。

考えなければならない。

またいつか会った時に答えが言えるように。

もう二度と会えないかもしれないけど......

仮に弔を救うとして、私にできることは何だ？

それは.......

未来を変えること。

原作を壊す覚悟をしなければならない。

そうなったら私は原作と関わり続けなければならない。

今からヒーロー側に付くのはとても難しい。

雄英生だったら可能性はあったかもしれないが、無いものねだりをしてもしょうがない。

なら、ヴィラン側に付くってことになるな........

あぁ、確かホークスがスパイとして異能なんちゃら軍に入ってくるんだよね。

その時、有益な情報を流す.....？

いや、そもそも信じてもらえないなぁ〜

私の性格上、特に。

じゃあ、私が個性を使いこなせるようになって、戦いに横槍を挟む......？

どれもイメージできないよ......

非現実すぎる。

とりあえず、“自由"に個性を使えるようになるか.......

『......どうしたら使えるんだ？』

私は今日、頭を抱える日らしい。