無個性でよかった【死柄木弔】 (ページ22)

今日:25 hit、昨日:0 hit、合計:14,603 hit

２０話ページ22

死柄木side

「弔、彼女は○○病院に入院しているようだ。

行っておいで。」

俺は先生に言われた通り鳴の入院している病院に来た。

「は？」

病室を開けたら、鳴がいなかった。

周囲を確認してみるけどいない。

どこ行ったんだよ、あいつ。

舌打ちをして、俺は屋上に上がった。

屋上に上がると鳴はいた。

寒そうに身体を震わせている。

声を掛けたら、とても驚かれた。

驚いた鳴を見ることはほとんどないので、貴重だ。

俺の上着に無理やり腕を通させると、胸の奥が温まっていくのを感じる。

俺の上着を着た鳴。

・・・・・・なんかいいな

今日の鳴はどこか上の空だ。

少し、いやとてもイラつく。

鳴をこんなにさせたのは誰だ。

「何があった。」

『えっ、あ～・・・・・・・・

実はね、お母さんが死んじゃったんだよね。

妹の方も意識が戻らなくて、さ・・・・・・』

先生だ。

先生が仕組んだんだ。

俺はニヤリとほくそ笑んだ。

『私、これからどうしたらいいのかわかんなくなっちゃって・・・・・』

「復讐すればいい。」

『えっ？』

「お前の家族を壊したやつに復讐すればいい。」

『復讐・・・・・・・』

「鳴が復讐するっていうなら、俺が手伝ってやる。」

鳴が動揺し始めた。

『でも、私無個性だし・・・・・』

「先生がどうにかしてくれる。」

『でも、私は・・・・・・・』

「このままにしておいていいのか？」

『えっ・・・・？』

「あのヴィランをこのままにしたら、鳴の父親も殺されるかもしれない。」

本当にこのままでいいのか？

俺は鳴に聞く。

このままでいいはずない。

家族を壊されたんだからな。