無個性でよかった【死柄木弔】 (ページ13)

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１１話ページ13

『助けてくださり、ありがとうございます』

「はぁ・・・・！？」

私は死柄木にお礼を言った。

助けられたんだ、お礼は言わないとね・・・・・・

ただ、空気がよくない。

逃げ出したい。

「お前のことをさっきまで殺そうとしてたやつになんでそんなことを言う。」

『だって、あんな気持ち悪い人に好き勝手されるくらいなら、普通に殺してくれた方がいいので・・・・・・・』

嘘をつくとあとあと面倒そうなので、できる限り素直に答えた。

まぁ、首を絞められても死なないような気がするけど。

「アハハ、お前かなり狂ってる(イかれてる)なぁ！？」

死柄木は突然笑い出した。

死柄木の笑いのツボがよくわからん・・・・・・

死柄木はまだ笑いが収まっていないのか、にやけながら話した。

「お前、名前は？」

『・・・・・・虚空鳴です』

「・・・・そうか。」

そう言って、死柄木は私の目の前から姿を消した。

『な、何だったの・・・・・』

ハーっと息を吐く。

少し肝を冷やした。

もう夕方だ。

帰らないと。

私は立ち上がって周囲を見渡し、焦った。

この路地裏どうやって出るんだ・・・・・・・？