第七話 ページ16
車窓には荒涼とした風景が広がってきた。
整然とした畑はもうなく、森や曲がりくねった川、うっそうとした暗緑色の丘が過ぎていく。
コンパートメントの戸が開き、丸顔の男の子が入ってきた。ルイアはあら、と声を漏らした。男の子は泣きべそをかいていたのだ。
「ごめんね。僕のヒキガエルを見なかった？」
三人が首を横に振ると、男の子はメソメソ泣き出した。
「いなくなっちゃった。僕から逃げてばっかりいるんだ！」
『きっと、出てくるわ』ルイアが言った。
「うん。もし見かけたら.....」
男の子はしょげ返ってそう言うと、出ていった。
「どうしてそんなことを気にするのかなあ。僕がヒキガエルなんか持ってたら、なるべく早くなくしちゃいたいけどな。もっとも、僕だってスキャバーズを持ってきたんだから人のことは言えないけどね」
ねずみはロンの膝の上でグーグー眠り続けている。
「死んでたって、きっと見分けがつかないよ」
ロンはうんざりした口調だ。
「きのう、少しは面白くしてやろうと思って、黄色に変えようとしたんだ。でも呪文が効かなかった。やってみせようか__見てて...」
ロンはトランクをガサゴソして杖を取り出した。あちこちぼろぼろと欠けていて、端から何やら白いキラキラするものがのぞいている。
「ユニコーンの角がはみ出してるけど。まあ、いいか....」
ロンが杖を振り上げたとたん、またコンパートメントの戸が開いた。
カエルに逃げられて泣きべそをかいていた男の子が、今度は女の子を連れて現れた。
女の子はもう新調のローブに着替えている。
「誰かヒキガエルを見なかった？ネビルのがいなくなったの」と、女の子。
「見なかったって、さっきそう言ったよ」とロンが答えたが、女の子は聞いてもいない。
「あら、あなた...」女の子はルイアを見て何か言いかける。ルイアは女の子の目を見る。女の子は出かかった言葉を飲み込んだ。
ルイアは怪訝な顔をする。女の子は顔をそらし、ロンの振り上げた杖を見た。
「魔法をかけるの？それじゃ、見せてもらうわ」
女の子が座り込み、ロンはたじろいだ。
「あー...いいよ」ロンは咳払いをした。
「［お陽さま、雛菊、溶ろけたバター。デブで間抜けなネズミを黄色に変えよ］」
ロンは杖を振った。....何も起こらない。スキャバーズは相変わらずねずみ色でぐっすり眠っていた。
「その呪文、間違ってないの？」女の子が言った。
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楠鬼音 ユララ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» コメントありがとうございます！いつもすみません....これからも読んでくだされば幸いです（汗 (2021年9月23日 13時) (
レス) id: 6536344628 (このIDを非表示/違反報告)
かるーあ・みるく(プロフ) - ゆっくり待ってます！！ (2021年9月12日 21時) (レス) id: a76ade7f6c (このIDを非表示/違反報告)
楠鬼音 ユララ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» コメントありがとうございます！！双子との絡みももちろん入れるつもりですが、やっぱり原作沿いになるので日常での絡み、といった感じになるかもです、すみません（汗 でも原作でもいけそうなところは思いっきり絡ませていきます！ｗこれからもよろしくお願いします！ (2021年9月5日 0時) (レス) id: c04fc26b69 (このIDを非表示/違反報告)
さくら＆りな(б∀б)(プロフ) - 初コメ失礼します！！この作品を楽しく読ませていただいています！毎日楽しみに待っています！ハリーポッターの中で双子が好きなので原作沿いなのですが双子といっぱい絡んで貰えたら嬉しいです！無理なお願いすみません！これからも頑張って更新してください！ (2021年9月4日 22時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
楠鬼音 ユララ(プロフ) - I'm海月さん» コメントありがとうございます！はい、頑張ります！！ｗ (2021年8月10日 19時) (レス) id: c04fc26b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楠鬼音 ユララ x他1人 | 作成日時：2021年7月8日 17時
