第五話 ページ14
「きっと、僕、クラスでビリだよ」
ハリーが言った。
『そんなことはないと思うわ。マグル出身の人たちだってたくさんいるだろうし、その人たちだって卒業してるわけだし...』ルイアは言った。
「マグル出身でもみんなうまくやってるよ」
ロンも言う。
三人はしばらく黙って、窓に流れていく野原や小道を眺める。
話しているうちに、汽車はロンドンを後にし、スピードを上げ、牧場なども通り過ぎていたのだった。
十二時半ごろ、通路でガチャガチャと音がして、えくぼのおばさんがニコニコ顔で戸を開けた。
「車内販売よ。何かいりませんか？」
見かけによらず食いしん坊のルイアは勢いよく立ち上がった。ハリーも立ち上がった。
ロンはまた耳元をポッと赤く染め、サンドイッチを持ってきたからと口ごもった。
ルイアとハリーは通路に出た。
ハリーは商品をしげしげと眺めていた__どれも見たことがないのだろう、何も食べ損ねたくないとばかりに全て少しずつ買っていた。
ルイアは蛙チョコレートやかぼちゃパイ、大鍋ケーキをいくつか買った。
席に戻ると、ハリーが両腕いっぱいの食べ物を空いている座席に置いていた。ロンが目を丸くして眺めている。
さらにルイアが大鍋ケーキやらを置くと、ロンの目は皿のようになった。
「二人ともおなかすいてるの？」
『ぺこぺこよ』「ぺこぺこだよ」
二人の声がそろった。
ロンはでこぼこの包みを取り出して、開いた。サンドイッチが四切れ入っていた。一切れつまみあげ、パンをめくってロンが言った。
「ママったら僕がコンビーフは嫌いだって言っているのに、いっつも忘れちゃうんだ」
「僕のと変えようよ、これ、食べて..」ハリーがパイを差し出し、言った。
『蛙チョコレート、かぼちゃパイ、大鍋ケーキなら私もあるから..嫌いじゃなければ交換しない？』ルイアも言う。
「でも、これ、パサパサでおいしくないよ」ロンが言った。そして慌てて付け加えた。
「ママは時間がないんだ。五人も子供がいるんだもの」
『ううん、いいの、これ食べて？』ルイアは大鍋ケーキを渡して言った。
ハリーもパイをロンに渡した。
ルイアは今までアンナと二人きりだったから誰かと物をわけあうことがほぼなかった。
だからロンやハリー(ハリーはルイアにも買った物を分けてくれた)と食べ物を夢中で食べるのは素敵なことだった(ほったらかしにされていたサンドイッチもルイアの口に消えた)。
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楠鬼音 ユララ(プロフ) - かるーあ・みるくさん» コメントありがとうございます！いつもすみません....これからも読んでくだされば幸いです（汗 (2021年9月23日 13時) (
レス) id: 6536344628 (このIDを非表示/違反報告)
かるーあ・みるく(プロフ) - ゆっくり待ってます！！ (2021年9月12日 21時) (レス) id: a76ade7f6c (このIDを非表示/違反報告)
楠鬼音 ユララ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» コメントありがとうございます！！双子との絡みももちろん入れるつもりですが、やっぱり原作沿いになるので日常での絡み、といった感じになるかもです、すみません（汗 でも原作でもいけそうなところは思いっきり絡ませていきます！ｗこれからもよろしくお願いします！ (2021年9月5日 0時) (レス) id: c04fc26b69 (このIDを非表示/違反報告)
さくら＆りな(б∀б)(プロフ) - 初コメ失礼します！！この作品を楽しく読ませていただいています！毎日楽しみに待っています！ハリーポッターの中で双子が好きなので原作沿いなのですが双子といっぱい絡んで貰えたら嬉しいです！無理なお願いすみません！これからも頑張って更新してください！ (2021年9月4日 22時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
楠鬼音 ユララ(プロフ) - I'm海月さん» コメントありがとうございます！はい、頑張ります！！ｗ (2021年8月10日 19時) (レス) id: c04fc26b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楠鬼音 ユララ x他1人 | 作成日時：2021年7月8日 17時
