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長谷部さんが紹介された後すぐに昼休みになって私は逃げるように会社を飛び出した。

そして狭い路地に入って行きつけの喫茶店へ入る。
いつも座っている窓際の特等席。



『あー…もう最悪…』


そう1人呟いた。






だいたい何もかも全て上司のせいだ。
上司があんな事を言わなければあの事件はおこらなかったのだから。









ブツブツと上司の愚痴をもらしていたら、カランカラと喫茶店特有の扉が開く音がした。


外から入ってきた足音はコツコツと私の方に近づいてきて、私が座っている席の前で止まった。









「よっ!」








軽快な挨拶だがどこか落ち着いた声をしている。
ふと頭をあげて声の主を見た。









『つ、鶴丸さん…?!?』




「ははっ…驚いたか?」








全身真っ白なスーツを身にまとい会社でもひと目で鶴丸さんだとわかる。
そう、この人こそ我が社の社長。名を鶴丸国永。
彼は会社中を歩き回ってはだれかれ構わず驚かす。そんな社長でこの会社は大丈夫なのかと、入社当時は思っていたけど、そんな事を思わせない実績をあげているし、業績は右肩上がりなのだから実力は本物なのだろう。
実際に社員からも一目をおかれている。


そんな彼が何故この喫茶店に来て、私の前に現れたのか。
そもそもこの喫茶店は結構穴場で裏路地にあるというのに…。







「なんでここにって顔してるなぁ。
なに、君が昼休みになった瞬間に会社を飛び出していったもんだから気になって後をつけてきただけさ。」





『な、なるほど……』

そしてなんの断りもなく私の向かいにドスっと座る鶴丸さん。
頬ずえをついて綺麗なはちみつ色の目が私に向けられる。




「恋の悩みか…?」

からかうような顔で私に言った。

『違います!断じて!』

私は鶴丸さんの声を遮るようにして言い張った。
なんなんだ…鶴丸さんといい…上司といい……!





すると、鶴丸さんはおもむろに口を開いて「そういえばなぁ…」と話し始めた。

陸→←きおく



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クレナ - 鶴が社長とは驚きだぜ とっても面白いです!!続き楽しみに待ってます!! (2015年7月18日 16時) (レス) id: 90d7fd96d7 (このIDを非表示/違反報告)
ふじの(プロフ) - 赤野@征弥さん» コメントありがとうございます!わわっ!そう言っていただけるととても嬉しいです(´∀`*)更新頑張ります! (2015年7月14日 2時) (レス) id: d0addf6fc4 (このIDを非表示/違反報告)
赤野@征弥(プロフ) - 王道そうなテーマでも覆してくれるような予感がしました。楽しみにしていますね! (2015年7月14日 1時) (レス) id: 95bc6fd517 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふじの | 作成日時:2015年7月13日 2時

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