14 ページ4
大倉side
｢⋯⋯くら、⋯おおくら⋯」
大｢⋯ん？⋯⋯マルちゃん？」
｢おはよ。アラーム鳴っとるよ？」
大｢⋯あれ、ぜんぜん気づかんかった」
アラームの音は全く聞こえなかったのに、マルちゃんが俺の名前を呼ぶ声は聞こえて、珍しく、すっと目が覚めた。
これ、マルちゃんいなかったら起きなかったやつや⋯笑
｢ごめんな、眠れへんかったやろ？」
そう俺に問うマルちゃんは、ベットの上に右肘をついて上半身だけ起こしていて、仰向けに横になる俺を見下ろす。
大｢いや、全然普通に寝てた笑」
｢んふ、ほんまに？」
大｢うん笑、 マルちゃんこそ大丈夫なん？」
この位置関係やと、影になるし、
薄明かりやからよく見えへんけど、
昨日より顔色はマシな気がする。
｢うん、大丈夫。」
大｢ほんまに？また無理してるんやなくて？」
マルちゃんの大丈夫に騙されまいと、あえて少し語調を強めて聞けば、
｢んー⋯70パーセントくらい大丈夫」
と微妙な返事。笑
大｢70パーセントって何やねん笑 」
｢あは、殆ど大丈夫ってこと！」
マルちゃんは、大丈夫な70%を説明するけど、
裏を返せば、30%は大丈夫やないんやろ？
ほんまはそこを突っ込みたいんやけど⋯
まぁ、今日の収録はやりたいってことやんな。
大｢ならええけど、しんどくなったらすぐ言いや？」
｢うん、⋯昨日はごめんな？」
マルちゃんから、ふっとさっきまでの笑顔が消えて、
急に真剣な目をしてそんなことを言う。
大｢困った時はお互い様やろ。それに、何年一緒におると思ってんねん笑。立場逆やった時もあるやろ？笑」
｢⋯そうやね。笑」
大｢あ、でも、次はマルちゃんの奢りな？笑」
｢あはは、高くつきそうやなぁ〜」
こんなどうでもいい話が普通にできるくらい、
確かにマルちゃんは回復したんやろうけど、
ベットから慎重に起き上がって、座ったままゆっくり着替えるところを見ると、やっぱり本調子やないんやろな。
今日は、無理させないようにせな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるく。 | 作成日時：2024年3月22日 20時
