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村上side
ピンポンピンポンピンポン⋯
生まれて初めて、こんなにインターホン連打しとるわ。
いや、俺やって嫌がらせでやっとるんとちゃうで？
こうなるには、ちゃんと段階があってん！
仕事巻きで終わらせて、マルの自宅に向かう車の中で電話してたんやけど全く繋がらへんし、マネージャーに送って貰っていざインターホン押しても無反応やし。
これは⋯こうなるやろ！
ピンポンピンポン⋯
何度目かの連打で、機械的な音と共にやっと声が聞こえた。
｢信ちゃん？⋯どうしたん？」
村｢おうマル！
良かった。ちょ、取り敢えず入れてくれへん？」
｢あ、うん⋯ちょっと待ってな？」
それを最後に音声が切れて、マンションのオートロックが解除される。
いや、出てくれて安心したわ。
そろそろ不審者扱いされる所やったで。笑
エレベーター使って目的の階まで上がって、もう一度インターホンを押せば、今度はすぐに出てきてくれた。
｢信ちゃん、ごめんな？」
村｢や、俺の方こそしつこくすまんな。一応電話したんやけど⋯分からんかった？」
｢うそ⋯ごめん、全然気付かへんかった⋯」
村｢ええねんええねん」
マルはもう一度、ほんまにごめんって謝るけど、顔色見てすぐ分かる。相当具合悪いんやろ。
｢⋯そこ寒いやろ？上がる？」
って遠慮がちに聞かれて、
まぁ、元々看病するつもりやったから、こっちとしては好都合で。
村｢ほなお邪魔しようかな」
なんてそう言って、玄関で靴を脱ごうと屈んだ時やった。
頭上から、うって低く唸る声が聞こえてきて、
村｢おわっ！⋯ちょ、え！？」
ドサッと俺に何かが覆い被さる。その正体は、もちろんマルなわけで。
村｢や、ちょ、おい！マル！」
｢んっ⋯はぁ、はぁ⋯」
俺の上で荒い呼吸を繰り返すマルを中腰で何とか抱きとめて、そのまま半分引きずるように廊下に上がって一緒に座り込む。
ちょ、どういう事やねんこれ！頭追いつかへんて！
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作者名：みるく。 | 作成日時：2024年3月22日 20時
