退院�� ページ37
勢いよく荷物を下ろした。1週間の入院になったが、さして荷物は重くない。
「しばらく、お世話になります…」
ぎこちなく頭を下げた俺に、七海は笑って「こちらこそ」と言った。俺はしばらく寮生活を離れる。不眠や悪夢等の睡眠障害が改善するまで、七海宅に世話になる予定だ。
何度見ても広いリビングだと感心していると、七海は端の壁をひっぱり始めた。驚いて見ていると、瞬く間にリビングは半分ほどの広さに縮んだ。
「ここ、リビングにできたり、個室にできたりするんです。どうぞ。」
リビングの奥に作られた部屋。無論、中には何もないが、160平方フィート(日本では8畳と数えるらしい)くらいのある程度広々とした空間だった。
「昼食を食べたら家具を買いに行きましょう」
＊
「…Aさん！」
背中にじわりと熱い汗を感じて目が覚めた。七海は心配そうな顔つきで俺を見下ろしていたが、見慣れない天井のせいか、一瞬自分がどこにいるのか分からなかった。
「夜ごはん出来ましたよ」
購入した家具を並べるとつい疲れが出て眠ってしまったらしい。俺の左腕は完治とまではいかないので殆ど七海がセッティングしてくれたのだが、ダブルベッドを1人で持ち上げた時は流石に笑ってしまった。
「あぁ、ありがとう。行くよ。」
そう答えて額を拭った。起き上がると汗が垂れてきたのだ。心臓もドクドクと主張が激しく、まるでランニングでもしたかの様だった。夕飯の前にシャワーを浴びたかった。
重い腰をあげて扉の方へ向かうと、ひとりのガキが部屋を覗いていた。
「隠し子か？」
俺の質問に七海は答えなかったが、まあ子供の1人や2人いてもおかしくない年齢だ。
「何を持ってるんだ？」
手を後ろに隠して恥ずかしそうに近付いてくる子供。手中のものを見せてくれるのか、固めた拳を俺の前に置いた。俺は覗き込む。娘と戯れあった頃が懐かしい。
子供が拳を広げて見せたのは見慣れた深緑の小さな物体。「伏せろ！」そう叫ぶ暇もなくあたりは眩い光に包まれた。
「先にシャワーにしますか？」
気が付けば七海はまた俺を見下ろしていて、俺はまだベッドに横たわっていた。どこからが夢なのか分からない。もしかして、目の前のこの男も虚像なのだろうか。
ーーーー
やばい夢を見ちゃった話
↑倫理的によくない夢を見てしまったバージョン。書きたかったから書いた。18歳未満(高校生以下)は閲覧禁止です！
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小倉トースト山田(プロフ) - 92Uraniumさん» ご指摘ありがとうございます！一応、ジャポニスム感(欧米人にとって日中韓の違いわからないのと同じ)を出す為の表記だったのですが、分かりにくいし千葉の方は普通に不快ですよね…次回の更新時に修正させていただきます！応援ありがとうございます〜！ (2022年2月8日 17時) (
レス) id: e9009eb640 (このIDを非表示/違反報告)
92Uranium(プロフ) - すごく細かい事になってしまうんですが、プロローグの「東京の、成田という空港」というところ、成田空港って千葉にあるんですが、意図があって「東京」にしたわけでないのであれば修正されたほうがよろしいかと思います。作品自体はとても好みなので頑張ってください。 (2022年2月8日 17時) (レス) @page3 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - scytheさん» わーん、この系統の話好きな方このサイトであまりお見かけしないので嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2022年1月22日 9時) (レス) @page33 id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
scythe(プロフ) - めちゃくちゃ好みの作品でびっくりしました……、…、…大好きです…！！続き楽しみにしてます！！！！！ (2022年1月22日 1時) (レス) id: 5a2afd6561 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - サツキさん» 嬉しすぎるコメントです…ありがとうございます胸に刻みます… (2022年1月19日 23時) (レス) id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小倉トースト山田 | 作成日時：2022年1月5日 18時
