目を覚ますと�� ページ30
目が覚めた。
知らない天井がグルグルと回っている。数回瞬きした後、怠い体を動かして周りを見れば、俺は点滴に繋がれているのだと分かった。
「おはようございます〜テイラーさん〜」
看護服を着たアジア人の女がにこやかに話しかけてくる
「Who the hell are you ?」(誰だ)
「腕動かさないで下さいね〜ちゃんと骨がくっつくまで安静にしてください。」
言われて気が付いた。左腕が折れている。白いギプスが見えて、周りには包帯が何重にも巻かれていた。
「被弾したのか？」
「え？ 酔って喧嘩したと聞きましたよ？」
「アルコールには気をつけて下さい〜」と悪気なく言う彼女の言葉で、俺の記憶は断片的に蘇ってきた。
「俺を運んだのは？」
「救急車です」
聞き慣れた声が耳を貫いた
「七海さん？」
「あのランプ、お気に入りだったんですよ。損害賠償請求します。」
七海はため息をついてベッド横の椅子に座った
「俺が壊したのか」
「ベッド横のランプ、ラック、テーブルの足を壊して壁には穴が2つ。」
今度は俺がため息をついた
チラリと時計を見ると7:30。すっかり朝だ。
「メンタルクリニックへの紹介状を書いてもらいます」
「何だって？」
「貴方は病気です」
七海は言い切った
「ふざけるな、また治療か？」
「貴方は私を殺そうとした。その手が高専の子供たちに伸びる前に、貴方は立ち直らなければいけません。」
言葉を失った。俺が殺そうとした？ 殺そうとなんて思ってない。ただ錯乱しただけで、決してそんな事は思ってない。
「何かの間違いだ」
「私の息を止めて、次に首に手を伸ばしてきました。だから、私は貴方の腕を折った。」
七海は点滴に繋がれた俺の右腕に手を添えてこちらを見た
「貴方をサポートします。貴方は良くなる。」
まっすぐ見つめられた目を見てその通りだと思った。俺は良くなる。またあの頃のように戻れる。良くなったら七海に何か返そう。
「なあ、でも、ここの…日本のカウンセラーは戦闘PTSDなんて診れないだろ。だからやっぱり病院はいいよ。」
「では、どうするおつもりですか？」
七海は眉を顰めて首を傾げる
「お前が診てくれよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 233人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小倉トースト山田(プロフ) - 92Uraniumさん» ご指摘ありがとうございます！一応、ジャポニスム感(欧米人にとって日中韓の違いわからないのと同じ)を出す為の表記だったのですが、分かりにくいし千葉の方は普通に不快ですよね…次回の更新時に修正させていただきます！応援ありがとうございます〜！ (2022年2月8日 17時) (
レス) id: e9009eb640 (このIDを非表示/違反報告)
92Uranium(プロフ) - すごく細かい事になってしまうんですが、プロローグの「東京の、成田という空港」というところ、成田空港って千葉にあるんですが、意図があって「東京」にしたわけでないのであれば修正されたほうがよろしいかと思います。作品自体はとても好みなので頑張ってください。 (2022年2月8日 17時) (レス) @page3 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - scytheさん» わーん、この系統の話好きな方このサイトであまりお見かけしないので嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2022年1月22日 9時) (レス) @page33 id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
scythe(プロフ) - めちゃくちゃ好みの作品でびっくりしました……、…、…大好きです…！！続き楽しみにしてます！！！！！ (2022年1月22日 1時) (レス) id: 5a2afd6561 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - サツキさん» 嬉しすぎるコメントです…ありがとうございます胸に刻みます… (2022年1月19日 23時) (レス) id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小倉トースト山田 | 作成日時：2022年1月5日 18時
