初陣�� ページ25
「クソッなんだあれ！」
「落ち着いて下さい、ターゲットです。」
少年が「にいちゃん」と呼ぶもの、いくつもの顔をその肌に貼り付けた、2mはありそうな人形の化け物、呪霊。
「良太！」
玄関の方から女性の声がした。
「ママ！」
少年は俺の腕を抜け出して玄関へ走り出す。俺は2人に「すぐここを離れろ！」と叫ぶ。
「リョォォォタァァァ…ミツケ、テー…」
喋るのか。人語を話した呪霊に思わず感心していると、化け物はこちらに向かって走り出した。
俺はひたすら撃った。効いているようには見えなかった。
「Aさんは距離を取って、私が直接叩きます…！」
鉈を構えた七海は臨戦体制に入る
とりあえず呪霊はプロに任せ、俺は親子の避難を急がせる。
「モタモタするな！」
母親に止められながら呪霊に駆け寄ろうとする子供を抱え、外へ走った。
「にいちゃぁん！」
「リョォタあ…」
呪術でもかけられているのか、少年にはあの化け物が兄貴に見えているらしい。腕の中の子供が悲しそうに泣くのを見て、俺はなんだか罪悪感が湧いた。
「ここから離れろよ、良太。」
校門まで親子を送り届け、俺は再び校内へ戻った。エントランスホールから少し階段を上がったところで髪の乱れた七海を発見した。
「やったのか？」
「まだ祓えてませんが、再起不能のようです。」
流石1級。俺はくたばった呪霊を足でつつく。
「この顔はなんだ、人間か？」
「…行方不明になっている少年達に似ていますね。」
「まさか…顔を剥がれたのか？」
一体何のためにそんなことを。人間から剥ぎ取った顔の皮膚を、己の身体に貼り付ける化け物。
「顔を剥がれているのなら、もう彼らは助からないでしょう。でも、取り込まれているとしたら…祓って助け出してあげて下さい。」
七海に言われて俺は頷いた。
ギターケースからMk11を取り出す。ハンドガンでは全く効果が得られなかったからだ。
至近距離で狙いを定めて、トリガーに指をかける。
「ｩｧｱﾊｧｯ！」
突然呪霊は短く鳴いて大きくジャンプした。驚く俺を見向きもせず、階段の上へ上へと駆け上がっていく。
「待て！」
何階まで上がったのだろう。呪霊の速度に追いつけず、俺と七海は二手に分かれて探索する事にした。
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小倉トースト山田(プロフ) - 92Uraniumさん» ご指摘ありがとうございます！一応、ジャポニスム感(欧米人にとって日中韓の違いわからないのと同じ)を出す為の表記だったのですが、分かりにくいし千葉の方は普通に不快ですよね…次回の更新時に修正させていただきます！応援ありがとうございます〜！ (2022年2月8日 17時) (
レス) id: e9009eb640 (このIDを非表示/違反報告)
92Uranium(プロフ) - すごく細かい事になってしまうんですが、プロローグの「東京の、成田という空港」というところ、成田空港って千葉にあるんですが、意図があって「東京」にしたわけでないのであれば修正されたほうがよろしいかと思います。作品自体はとても好みなので頑張ってください。 (2022年2月8日 17時) (レス) @page3 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - scytheさん» わーん、この系統の話好きな方このサイトであまりお見かけしないので嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2022年1月22日 9時) (レス) @page33 id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
scythe(プロフ) - めちゃくちゃ好みの作品でびっくりしました……、…、…大好きです…！！続き楽しみにしてます！！！！！ (2022年1月22日 1時) (レス) id: 5a2afd6561 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - サツキさん» 嬉しすぎるコメントです…ありがとうございます胸に刻みます… (2022年1月19日 23時) (レス) id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小倉トースト山田 | 作成日時：2022年1月5日 18時
