【チーズニョッキの醤油がけ】�� ページ11
「貴方がWTBから移動していったのは、私の研修2日目でしたからお互いあまり記憶にはありません。」
「俺のカルテというか…症状については？」
「WTBの成功例として拝読しました」
"成功例"
何とも大そうな言葉で飾られたものだ
"成功例"とされた俺は、結局その1年後に軍を辞めたのだが。
「確かに、この頃が1番まともだった。自分に自信を取り戻し、娘も生まれて、正規任務に戻って、弟の結婚式にベストマンとして出席した。」
誰もが思い描くようなアメリカ人の人生、そう評するに値するものだった。
頭の中がグルグルと回って言葉に詰まる。
「…何があったのか、無理には聞きません。機会があれば聞かせてください。」
優しい言葉に甘えてビールを飲み干した。少し残っていたチーズと玉ねぎを平らげ、「食器はどうすればいい？」と明るい声を出して尋ねる。
食洗機に放り込むから置いておいてくれ、という言葉と、シャワーを使っていいという言葉に更に甘え、俺は駆け込むようにしてシャワールームの扉を開いた。
察しの良い七海は追いかけてくるような事はしなかった。
＊
シャワーを浴びて風呂を出ると、ご丁寧に用意してくれていた部屋着はピッタリだった。俺と彼の体格はほとんど変わらないので、当然といえば当然である。
「服とシャワーありがとう」
リビングに向かって礼を述べるが、何も返ってこない。気になってソファの方を見やると、スヨスヨと座ったまま器用に寝入っている。膝元では栞も挟んでいない文庫本が閉じかけになっていて、俺は慌てて取り上げた。
「あっ…すみません。」
本を取り上げられて気が付いたのか、目を覚ました七海は第一に謝ってきた。
「シャワーをありがとう、服も。」
「いえ、サイズはいいですね。」
七海はグッと身体を伸ばすと、今度は自分が風呂に入ってくるから先に寝ていてくれ、と言う。
「このソファ、背もたれが…こうやって倒れるので…」
そう言いながら七海はソファの背をグイッと倒す。180度展開したソファはシングルベッドよりも大きく、広々と寝られそうだ。
「このピローとマット、布団をどうぞ」
収納から取り出した来客用と思われる寝具を素早くセットし、飯から風呂から服から寝る準備まで全て彼に任せっきりにしてしまった事に俺は情けなく思った。(が、礼はしっかりと述べた。)
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小倉トースト山田(プロフ) - 92Uraniumさん» ご指摘ありがとうございます！一応、ジャポニスム感(欧米人にとって日中韓の違いわからないのと同じ)を出す為の表記だったのですが、分かりにくいし千葉の方は普通に不快ですよね…次回の更新時に修正させていただきます！応援ありがとうございます〜！ (2022年2月8日 17時) (
レス) id: e9009eb640 (このIDを非表示/違反報告)
92Uranium(プロフ) - すごく細かい事になってしまうんですが、プロローグの「東京の、成田という空港」というところ、成田空港って千葉にあるんですが、意図があって「東京」にしたわけでないのであれば修正されたほうがよろしいかと思います。作品自体はとても好みなので頑張ってください。 (2022年2月8日 17時) (レス) @page3 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - scytheさん» わーん、この系統の話好きな方このサイトであまりお見かけしないので嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2022年1月22日 9時) (レス) @page33 id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
scythe(プロフ) - めちゃくちゃ好みの作品でびっくりしました……、…、…大好きです…！！続き楽しみにしてます！！！！！ (2022年1月22日 1時) (レス) id: 5a2afd6561 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - サツキさん» 嬉しすぎるコメントです…ありがとうございます胸に刻みます… (2022年1月19日 23時) (レス) id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小倉トースト山田 | 作成日時：2022年1月5日 18時
