【呪術廻戦】七海建人の憂鬱【男主】

北海道出張１ ページ45

外泊許可が降りたまま、高専は夏休みに入った。

１年生のグループトークでは京都姉妹校交流会の話がチラホラ出ているが、今のところ僕は参加する気はない。


「Aくん、用意、出来ましたか？」

「うん」

七海の声に、僕はゲーム機を入れたリュックを持って立ち上がった。

今日は北海道へ行く。


＊


「僕はさぁ、オマエと道産子物産を満喫したくてわざわざ北海道まで来たんだよ。なんでこのクソガキも一緒なわけ？」

「なんでいつもいつもぼくに当たり強いの！？」

「じゃがバターが冷めますよ」

七海は自分を挟んでバチバチと火花を散らす2人を心底疎ましく思いながら、塩辛のせじゃがバターを頬張る。

　そもそもこれは1人の任務だったのに…なぜ3人も…


昨日、北海道へ出張に行くと言ったらAは意地でも付いていくと行った。今朝、仕方なくAを連れて駅を向かうと、絵に描いたようなクソ間抜けな笑顔を顔に貼り付けた五条が手を振っていた。


「七海200円貸して〜」
「また食べるんですか」
「金くらい持ってこいよ教師だろ！」
「万札ならあるけど？？」ﾋﾗﾋﾗ

この2人は何故こんなにも仲が悪いのか。初めはこんなではなかった。目を離した隙に仲が悪くなっていた気がする。

　こんなのでよく教師と生徒が成り立っているな…


食べ盛りのAはまだしも、負けず劣らず五条もよく食べる。


「ぼくあれ食べたいな、海ぶどう！」
「バーカ！海ぶどうは沖縄だろ！」

A元来のものなのか、五条が舐めきっているのか、五条はAの前では自然体そのままでいるように感じる。

まるで高専の問題児五条悟を彷彿させるような、自然体で。


「本当慕い甲斐のない先輩！」
「先輩じゃなくて俺はオマエの担任だ！！」


五条の大きな声に驚いたのか、周りの目がいくつか視線を送ってくる。

教師と生徒がこんな言い合いをしている事に驚いたのか、はたまた、五条の発言と外見にギャップを感じているのか…。



「どうでもいいから帰りたい……」(クソデカため息)

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