クソデカ溜息17 ページ17
「今日はキミとAくん、私の3人で1級呪霊1体を討伐します」
「えっ1体を?」
「はい、Aくんの実力を測りたいので。猪野くんは後方待機でお願いします」
「えっ1級で?」
猪野の納得しない顔を見て申し訳なさを感じつつも、七海は帳を下ろして配置につく。
夜になっていくのを物珍しそうに見上げているAの左腕を掴み、手錠をかける。
「えっ?」
ガチャン、手錠のもう一方は七海の右腕を掴んだ。
「Aくん、今日は私から手を離さずに。力の最大限を引き出して任務にあたってください。」
「えぇ…」
昨日、夜蛾にAの事を相談すると、夜にはこの任務の詳細が送られてきていた。Aの小手調べには丁度いい仕事だった。
初仕事が1級呪霊なのは少々ハードかもしれないが、Aの実力を正確に測るため、2級術師と1級術師の監視の元、任務の許可が降りたようだ。
場所は廃病院、と言っても診療所レベルの小さな建物だ。
「来ます」
天井にぽっかりと暗い穴が開き、目当ての1級呪霊とみられるものが顔を出す。
「来ますじゃない!来ますじゃない!片腕が使えないのはちょっと!」
《あおいえお゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ》
呪霊は言葉にならない何かを叫びながら七海に向かって飛びかかってきた。
クソ、またかッ
左手に得物を構え、Aと繋がった右手をぐっと引いた。バランスを崩したAが七海の前によろけ出る。
「何をッ!?七海!?」
「七海サン!?」
呪霊の腕がAに届くまであと数cm…
さぁ、見せてみろ。影の領域を…
グォン
辺りに広がった闇、影。上の方で鈍い音が響いた。呪霊の攻撃をこの影が弾いた音だろう。
次の瞬間には影は消え、Aの手の中に大きな鎌のような形で収納されていた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッりゃッ!」
Aの右手に振り回された鎌は、綺麗な弧を描いて呪霊に斬りかかる。
しかし、スピードが足りなかったのか、呪霊はひょいっと軽々躱してしまった。
呪霊に傷一つ付けていないものの、Aは影の鎌を手放し、それはどこかへと消えてしまった。
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小倉トースト山田(プロフ) - 紅葉さん» 待って笑った本当に間違ってるじゃないですか!ご指摘ありがとうございます!次の更新で直します…お互い体調には気をつけましょう!コメントありがとうございます! (2021年4月11日 18時) (レス) id: d6a3d21f1e (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 悠二じゃなくて悠仁ですよ! 七海さんとの距離感が好きで読みながらニマニマしてしまいます笑! 体調に気遣いつつ更新頑張ってください! (2021年4月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - れもんくんさん» わーい、一応リプしてみました! (2021年4月5日 20時) (レス) id: 1af1ac3f06 (このIDを非表示/違反報告)
れもんくん(プロフ) - 小倉トースト山田さん» してますよ!あんな状態ですが、、、あ、見てくれればわかります→remonkun_1128です! (2021年4月5日 18時) (レス) id: 4fa0c92de2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - れもんくんさん» わーい!れもんくんさん、お友達になりましょう!ついったとか、利用されてます? (2021年4月5日 18時) (レス) id: 1af1ac3f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小倉トースト山田 | 作成日時:2021年3月29日 1時