クソデカ溜息1 ページ1
「帳を忘れずに、と言いましたよね」
「面目ないデス…」
平日の昼下がり、梅雨のジメジメとした暑さに相関するような先輩のゆっくりとした諭し。
最も尊敬している先輩ではあるが、一度社会に出たこともあってか、ルールにはかなり厳しい(ルールを忘れる自分が悪いのだが)。
「この子の対処は補助監督の方に任せます。猪野くん、君はここで後始末を頼みます。」
「ハイ…」
スマホを片手に遠ざかっていく背中を見送りながら、“この子”と呼ばれた子供に手を伸ばす。帳を下ろし忘れた自分が悪いのだが、こんな人里離れた霊園に、しかも平日昼の3時にいる人間も人間だ。普通、墓参りは午前に済ませるのがマナーである。
「暑くないのか？」
猪野が墓石を(不本意だが)バラバラにするのを目撃し、先程から一切口を聞かないこの子供は、どういう訳かこの初夏と呼べぬ連日30度越えの梅雨の時期に黒いコートとそのフードをすっぽりと被り、ただ一点をぼーっと見つめている。
「猪野くん、補助監督の方と連絡が…後ろッ！」
「えぇっあっまだ残って…！」
先輩＿七海の珍しく荒げた声を聞き、背後に迫る討伐未遂に終わっていた呪霊の存在にようやく気付いた時には既に遅い。完全に後ろを取られてしまった。
霊園の入り口にいる七海のバックアップは見込めない。かと言って、自分も瞬時に180度回転できるようなバレリーノフットワーカーでもない。
とにかく子供を守れるよう、覆い被さることだけに集中した。
終わった。やばい。
「領域展開…！？」
あたり一面の闇。今回の任務は1級が2体、他は2級がいくつかと聞いていたが特級クラスが紛れていたのか。
しかし、いくら待てど呪霊が攻撃を仕掛けてくる気配はない。それどころか、呪霊の姿も一切見えない。
「猪野くん！」
外側にいるであろう七海の声に反応するかのように、猪野と子供を包んでいた闇は消え去った。
「俺終わったと思いました…」
「取り零しは祓いました。ところで今のは君が？」
七海の問いにフルフルと首を横に振る猪野。
「領域展開されたと思って…それでもう俺やばいなって…うわー一瞬でも諦めてしまった…」
「でも呪力は一切感じられませんでした。残穢もありません。それに、猪野くんでも私でもないなら…」
大人2人の視線を受けた子供は、未だ放心状態のままである。
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小倉トースト山田(プロフ) - 紅葉さん» 待って笑った本当に間違ってるじゃないですか！ご指摘ありがとうございます！次の更新で直します…お互い体調には気をつけましょう！コメントありがとうございます！ (2021年4月11日 18時) (
レス) id: d6a3d21f1e (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 悠二じゃなくて悠仁ですよ！ 七海さんとの距離感が好きで読みながらニマニマしてしまいます笑！ 体調に気遣いつつ更新頑張ってください！ (2021年4月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - れもんくんさん» わーい、一応リプしてみました！ (2021年4月5日 20時) (レス) id: 1af1ac3f06 (このIDを非表示/違反報告)
れもんくん(プロフ) - 小倉トースト山田さん» してますよ！あんな状態ですが、、、あ、見てくれればわかります→remonkun_1128です！ (2021年4月5日 18時) (レス) id: 4fa0c92de2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - れもんくんさん» わーい！れもんくんさん、お友達になりましょう！ついったとか、利用されてます？ (2021年4月5日 18時) (レス) id: 1af1ac3f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小倉トースト山田 | 作成日時：2021年3月29日 1時
