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「確かにみんなに助けられたことでブロットの塊は粉々に砕け散った」
「だけど…私が心のなかで考えてきたことはすべてが間違いではないんじゃないかって…」
「スッキリしなかったのよ…」
ヴィルはまだ眠たげなナミの頭を撫でた。「あらやだ。短時間で寝癖？」なんてクスクス笑いながら
とっても辛い話なのに彼が笑っていられるのも、ナミがそれを解決したからだ
「あのお馬鹿な私も美しいって、貴女は言ってくれたのよねきっと…」
悪でも美しい、そうナミが認めるなら…
ヴィルはフッ、と笑った
「オーバーブロットした私も美しい？そうなんでしょう？」
「恥ずかしいとか思ってたけど、こうやって包み込んでくれる貴女がいるなら安心ね」
そんなヴィルの言葉に「まさか、またオーバーブロットするつもりじゃ…」とエペルが青い顔をする
「なわけないでしょう」とヴィルが速攻でつっこんだ
「私が言いたいのは、悪いほうの私も愛してくれるナミがいるだけで人生ハッピーねってだけよ」
ヴィルはふふっ、と楽しげに笑った
無邪気なその笑顔に「ヴィル、子どものようで愛らしい」とルークも胸打たれていた
「さあ、お寝坊さん、また一緒にお風呂に入りましょうか」
ヴィルはベッドでくつろいでいるナミを抱きかかえ、ポムフィオーレ寮へ連れて帰ろうとした
しかしナミはベッドの手すりに掴まる
「え…？オンボロ寮に帰っちゃダメなんですか？もう演劇は成功で終わりましたし、帰っても…」
笑顔だったヴィルの顔は鬼のような険相に
「あら、私の誘いを断るの？お尻、ひっぱたくわよ？」
まだまだナミは帰れそうにない
「そんなー！」
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作者名：真灯
| 作成日時：2022年9月30日 18時
