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ポムフィオーレの寮で夜を越すことになったナミ
隣にはグリムも、夜ごはんを作ってくれるユウもいない
『寂しい…』
『ユウくんとグリムちゃんに会いたい』
ベッドのなかでナミは目に涙をため、
彼らに会いたいと心の底から願った
『ここ怖い…帰りたい…もう帰りたいよぉ…』
すると…
?「___願いを叶えてあげられるわよ?私に協力すればね」
部屋に声が響いた
『ヴィ、ヴィルさん…』
ナミはいろんなことがあったため、ヴィルを警戒した
「ええ、そうよ。私に協力すれば、すぐにお家へ帰らせてあげるわ」
しかし、目の前にいたのはヴィル・シェーンハイトだが、彼はドアを開け、部屋に入ってきたわけじゃなかった
相も変わらず身に纏うその美しさを残したままヴィルは
部屋にあった大きなルームミラーに移っていた
鏡のなかに人がいる状況にナミは驚きを隠せない
『ヴィル…さん…?ですよね?』
ヴィルの雰囲気はどこか儚かった
まるで、ナミがこの世界にやってきたときに手招きをした綺麗な女性のようだった
それに衣装がーー
黒い…
ヴィルの洋服は黒い液体で汚れていた。画家が心のなかの憎しみをぶちまけたアートのようだった
「こっちへいらっしゃい」
ヴィルはいつもより冷たい声でナミを誘った
その瞳に光はない
ナミは「はい」と言わなければまた怒られると思い、ゆっくり歩み出た
「フフッ、やっぱり美しい人。あのネージュより絶対に美しいわ」
鏡の中から手が伸び、ヴィルの繊細な指がナミの頬をつたる
ヴィルは楽しそうに指を動かした
頬で踊っていたその指がやがて止まると、ヴィルの表情が曇った
「さぁて、呪いをつけましょうか」
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作者名:真灯 | 作成日時:2022年9月30日 18時