姉さんの1日 ページ2
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「Aさん」
「やだ」
「まだなんも言ってないです」
「どーせ散歩連れてけ、でしょ」
「ご名答」
「ご名答じゃないわ」
絶対ヤダー、と棒読みで鏡の前でバケハを被るAさん。
めっちゃ似合ってる。
かっこいい。
「……見すぎ」
「連れてって……?」
「………………はぁ、」
「やったぁ!」
ほんとに嬉しい!
どうしよう、今すごく叫びたい!
まぁ結局いつも連れてってくれるんだけどね。
マスクにキャップとバッチリ変装をして、2人で外に出た。
あぁ、Aさんと一緒だと空気がおいしい。
Aさんに言ったら絶対『バカじゃないの』って言われるけど。
Aさんとアメコに寄って、カフェオレを買ってくれた。
自分で払うって言っても全然聞いてくれないの。
あ、これいつもね。
勝手に着いてきてるだけなのに奢ってもらうって、ねぇ。
いつか倍返ししてあげないとって思うけど、それが実行できた日は今のところない。
そして実行できる画も浮かばない。
多分無理だろうなっていつも諦めてます。
「吉野まだムスッとしてんの」
「だーって……、」
「もう諦めなって、多分一生払ってもらうことは無いから」
財布すら持ってこないまこっちゃん見習いな、とAさん。
なに、まこっちゃん財布持ってこないの?!
甘えすぎでしょ!人のこと言えないけど!()
結局、大回りをして長めの散歩をして、寮に戻った。
「あらAさん、ほくちゃん、おかえり」
「ただいまでーす」
「陸は今日もお母さんだね」
「いつもいつもちょっと意味がよく分からないんですけど、(笑)」
Aさんの後ろを歩いて、洗面所で2人並んで手を洗う。
いつも通り、Aさんに嫌がられながらも手を洗っていると、ふらっと通りかかった壱馬に笑われた。
笑うなっ!
「はぁ、マジで何?今日いつも以上に存在がうるさいよ」
「えぇっ、酷いっ!」
「うるさいのは存在だけじゃなかった」
「A、北人、今日みんなで食べいこっか」
「「焼肉ですか?」」
「焼肉です(笑)」
よっしゃあ!
思わずAさんと2人でハイタッチ。
なんかちょっと悔しそうにしてたけど気にしない。
「おい樹!それ俺が育ててた肉!」
「は?また焼けばいいじゃん」
「あ、壱馬さん焼けましたよ」
「おー、ありがと」
「Aさん!焼けたよ!」
「うるせぇ。……貰うけど?!」
ワイワイガヤガヤ楽しかったです。
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作者名:L | 作成日時:2020年4月5日 18時