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とりあえず、思考が追いつく前に身体が動いていた。これぞヒーロー素質。
咄嗟に頚動脈を切り裂き、緋糸を編み込んで壁を作った。
最初こそぶちぶちと爆破の威力に負けて引き裂かれたが、2度、3度、何層にも緋糸を編み込んで何とか爆風を押し返す。
『はぁ、はっ…はぁ…』
操りきれない緋糸……いや、私の血が滴り落ち、私はいつしか血塗れになっていた。まぁ、これ全てが自分でやった自分の血なのだが。
この編み込んだ壁…いや天井は、私を含めた4人。つまり、さっきの修羅場男性カップルたちをも覆って居た。
つまりは、彼等もまたこんな私を目撃し、近くにいるということで…
『……あすいません。汚れるんで近くに来ない方がいいですよ』
「な……っ、あ…?」
驚愕し、目を見開いて、彼等は私を見つめていた。
まぁ、赤の他人とはいえ、目の前で血塗れになった人がいたら堪えるよな。我ながらヒーローの絵面じゃないし。
あと、近くに来ない方がいいもなにも、この狭い中じゃあどうもしようがないのだけれど。
私はそう思いつつも、特に彼等を気にする間も無く、たらりたらりと流れ出る血に再び意識を集中させる。
ガガガガガダダダダダダダダダッ
あーーーーもーー鬱陶しィィィィィ!!
懲りもせずに休まず、この天井に爆音爆破が降り注いでくる。これは集中砲火でもされているのだろうか。
そろそろ私の集中力も限界なんですが。正直、息が苦しいし視界がチカチカしてきた。
いつもの貧血の合図だ。
歯を食いしばってこの状況に耐える。……だがどうする?
このままでは、いずれ私の集中が途切れて、全員が蜂の巣になってしまう。ヒーローとして、一般市民(じゃないかもしれないけど)を守れずに殉職だなんてのは、1番避けなければならない事態だ。
………どうする
「この狙撃は貴様の仲間じゃないのか、ライっ!!」
「違う!そういうお前が仕組んだのではないかバーボン?邪魔になった俺とスコッチを消すつもりじゃ…」
「する訳ないだろう!!第一、これが僕の仲間ならば、僕はノコノコとこんな所に来ていませんよ!」
「ライ、バーボン、落ち着け!こんな所で揉めている暇は……それに、俺たちは!!」
『ああああああうるっせェな!!!』
……耳に入って来たその喧騒に、たまらずに怒鳴ってしまった。
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☆しゅーりむ★(プロフ) - まゆさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません!読んでいただきありがとうございます!これからも頑張りますね!! (2019年3月7日 23時) (レス) id: f145474b32 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年2月28日 23時) (レス) id: eca43bee50 (このIDを非表示/違反報告)
☆しゅーりむ★(プロフ) - にわなずなさん» どっちでも良き派の方なのにわざわざコメント頂けたんですか!?ありがとうございます!!私はツイッターで知ってしまいました。皆さん結構知ってるんですね…!! (2018年9月22日 23時) (レス) id: d266c3c2b9 (このIDを非表示/違反報告)
にわなずな(プロフ) - 私は立ち読みで知りましたw名前はどっちでも良き (2018年9月22日 8時) (レス) id: 895a4f49cb (このIDを非表示/違反報告)
式(プロフ) - 更新頑張ってください!めっちゃ楽しみに待ってます!! (2018年9月21日 19時) (レス) id: 4d4834db33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆しゅーりむ★ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月16日 23時