修羅場に遭遇したヒーローのお話【名探偵コナン】

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あっぶな。てかなんでこの人平然と拳銃持ってるの？あとなんで抱き合った後に死のうとしてるの？
心中でもする気か。

『……たく、なにやってんすか。心中とか今時、時代遅れですよ』

だからほら離してください、と多少無理矢理に男性から拳銃を奪い取る。
触手のように器用に緋糸で拳銃を受け取ると、とりあえずバキバキに握り潰しておいた。

器物破損？なにそれ美味しそうですね。


「…お前、何者だ？」


拳銃の引き金を引いた方……髭の生えた男性が、そう言って私を睨んでくる。

……あ、もしかして私、敵(ヴィラン)と勘違いされているのか？まぁ、まだ無名のヒーローだからなぁ。知られてなくてもおかしくない。


『私はプロヒーローのクレナイです。その、色々障壁はあるかと思いますが死んじゃダメですよ。誰がなんと言おうと、2人で支え合って生きて行くべきです』

「は？」


私がそう訴えれば、髭の男はぽかん、とした顔でこちらを見た。

……まぁそうだよね。知らない人からいきなり知った風な口をきかれても、なんら心に響かないよね。お前何様だよ、ってなるのが普通だよね。

まぁ、そんな普通が通じないのが“ヒーロー”だけど。


『私はお二人のこと応援します。だから、そう思い詰めないで』

「いや、だから……」


余計なお世話結構、お節介上等の職業だ。
ぎゅっと拳を握って、髭の男と長髪の男をなんとか説得しようと声をかける。すると、今まで言葉を失っていた長髪の男が慌てたように声をあげた。


だが、その前に……




「スコッチ！！」



金髪の男性が息を切らせて、この屋上まで登って来た。
こ、今度はなんだ……？？

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