修羅場に遭遇したヒーローのお話【名探偵コナン】

吸血鬼-赤のターン ページ17

『………え』


「吸血鬼を助ける人間なんて、初めて見たからな。
昨日もそうだが、お前はすぐに逃げてしまいそうだったから、こんな手荒な真似をしてしまった」


すまない、そうもう一度謝る男性。

一方私の頭の中はクエスチョンマークで一杯だった。えっ何、この人、人間じゃ無いの？吸血鬼って言った？ごめん状況が理解できてない。

目を白黒させている私に、男性はこほん、と小さく咳払いをする。
ニット帽をかぶり、翡翠の瞳をした、クマのある男性は、改まった様子で私を真っ直ぐに見つめた。


「紹介が遅れたな。俺は赤井秀一。さっき言った通りの吸血鬼だ。
昨日は助かった、ありがとう」


『………えっ、あ、はい。その、紅糸Aと申します……？』

想像以上に丁寧な紹介に、私の方も何故か紹介を返す。
あれれ、この人…じゃない、吸血鬼って意外と良い人？


だが、そんな思いは赤井の次の言葉で消え去った。


赤井「俺の番(つがい)になってくれ」

『なんかよくわからないけどヤバそうなんでお断りします』


これが原因で、吸血鬼連中に絡まれ始めることを、この時の私は知らなかった。

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