吸血鬼-赤のターン ページ16
私がそう返せば、男性は一瞬だけ翡翠の瞳をひそめ、次の瞬間……
ガリッ
『………!??』
私の首元に噛み付いた。
『へっ?え、ちょ、いだっ!いだだだだ痛い痛い!?』
あまりの痛みに、咄嗟に離そうと男性の胸板を思いっきり押す。
それと共に緋糸で男性を引き剥がそうと、血に意識を集中した。
だが、
「んっ、ジュルッ……ふぅ」
『づっ……(え、操れない!?)』
集中力がなぜか分散してしまい、上手く血を操ることが出来なかった。まるで、腹筋しようとした時にくすぐられた時のような感覚で、集中してもすぐに抜けてしまう。
「んっ…ゴクン。……っはぁ、甘いな…」
『ヒィっ!?』
状況が理解できず、未知の状況に恐怖すら募っていた私に、首元に生暖かい吐息が吹きかかる。
ぞくり、と背中に悪寒が走り、思わず身体を震わせた。
「あぁ、悪い。……感じたのか?」
男性が首元から顔を離し、今度は私の顔を覗き込むようにして尋ねてくる。
ぶんぶんと言葉も出せず、首を横に振った私を見て、男性はフッと口元を緩めた。
「そうか。……ところで、血の匂いも味も、昨日の人間と同じだ。お前だな、俺を助けたのは」
え、何この人怖い。緋糸が操れなくなったのなんて、イレイザーの個性以外でなら初めてだ。
自分の力が通じないという恐怖に、微かに身体が震えてくる。……あぁ、ったく、こんな情けないヒーローが居ていいのか。ヒーロー失格だな。
なんて、自嘲しても体の震えは収まらない。そんな私を見下ろした男性は、わずかに瞳を細め、そして……
「……そんな顔しないでくれ。すまない、ただ礼を言いたかっただけなんだ」
と、一歩私から離れて謝って来た。
『……え』
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☆しゅーりむ★(プロフ) - まゆさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません!読んでいただきありがとうございます!これからも頑張りますね!! (2019年3月7日 23時) (レス) id: f145474b32 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年2月28日 23時) (レス) id: eca43bee50 (このIDを非表示/違反報告)
☆しゅーりむ★(プロフ) - にわなずなさん» どっちでも良き派の方なのにわざわざコメント頂けたんですか!?ありがとうございます!!私はツイッターで知ってしまいました。皆さん結構知ってるんですね…!! (2018年9月22日 23時) (レス) id: d266c3c2b9 (このIDを非表示/違反報告)
にわなずな(プロフ) - 私は立ち読みで知りましたw名前はどっちでも良き (2018年9月22日 8時) (レス) id: 895a4f49cb (このIDを非表示/違反報告)
式(プロフ) - 更新頑張ってください!めっちゃ楽しみに待ってます!! (2018年9月21日 19時) (レス) id: 4d4834db33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆しゅーりむ★ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月16日 23時