どうして恋してこんな

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*** shinjiro side






手洗いに行ったはずの沙耶の帰りが、遅い。

誰かに絡まれとるんか、と途端に不安になった。





與「あ、沙耶。遅いから焦ったやん！」

「ふふ、ごめんね？」

與「……あほ、」



沙耶は、大学時代からモテていた。


今も俺の彼女だと知ってるはずやのに、チラチラと沙耶を見る奴らがいる。



やから、油断も隙もないねんて。



西「てかさ、Aは？」

末「手洗いに行ってくる、って言ってたけど」

日「それにしては、遅すぎね？」





こいつらが口々に言う、Aっていう女。


俺以外の６人が彼女を知ってるのに、俺が知らないわけないやろ。









───────でもなぜか、初対面のはずやのに懐かしさを感じたのは気のせいじゃない。




西「あ、来た」

日「顔が引き攣ってるわ。やっぱり、……」

浦「まぁまぁ、分かってるから」



日高の言葉を遮った直也くんは、チラッと俺を見てからまた日高たちと話し出した。





『……なんか、お腹空いた』



末「あ！」

宇「えっ？なになに？」







末「A、痩せた？」









『……は？』

千「わー秀太！女の子になんて最低なこと！」


末「いや痩せたは褒め言葉やん！」

宇「Aは昔から痩せてました〜」








沙耶が隣にいるのにも関わらず、俺は彼女のことを目で追っていた。








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