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懐かしいな、と不意に思ってしまった。
大切な人の記憶にわたしが存在していなくても、あの頃のように集まれたことが嬉しくて。
宇「A、あんたもっと綺麗になったじゃん」
千「ね、びっくりしたよ〜!」
あの日のことがなかったかのように、わたしは皆と話していた。
───────そう、彼だけを除いて。
『ちょっと、お手洗いに』
宇「はいはーい」
会場を出ると、前方から見覚えのある人が近付いてくる。
「……あの、」
真司郎の彼女、沙耶さんだった。
『……こんばんは、』
「こんばんは、真司郎の彼女の沙耶です」
「そういえば、会うのは初めてですよね?」
「実彩子さんたちとは面識あるんですが……」
沙耶さんからの視線が、少し鋭くなった。
「回りくどく言うのも嫌なんで、単刀直入にお聞きします」
『……』
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「……過去に、真司郎と何かあったんですか」
「付き合ってたんですか?」
「別に遠慮せずに言ってください。たとえ、そういう関係であったとしても……」
「真司郎の彼女は、私です。きっと、結婚も考えてるはずだから、あなたに負ける気がしません」
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『……わたしと彼は、そんな関係じゃありません』
───────わたしと真司郎の関係は、そんな簡単に言えるほど薄っぺらいものじゃない。
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かな - 更新楽しみしてました (2019年3月31日 14時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
ゆなぢ - 続きのストーリー楽しみ待ってます (2019年2月17日 22時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
真ちゃん依存性(プロフ) - 初めて見させていただきました!とっても面白いです!更新、まっています! (2019年1月11日 23時) (レス) id: aa473e2c45 (このIDを非表示/違反報告)
あお(こちらに変更)(プロフ) - aknさん» コメント遅れて申し訳ないです(T_T) いつもありがとうございます、完結までまだありますが頑張ります(^ー^) (2019年1月6日 18時) (レス) id: b103409ab8 (このIDを非表示/違反報告)
akn(プロフ) - 久しぶりに来ましたが、ちょっと新展開で嬉しいです!!続き楽しみに待ってます♪更新頑張ってください(*^^*) (2018年12月17日 3時) (レス) id: eb8dc27a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお(こちらに変更) | 作成日時:2018年2月17日 23時