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『そういえば俺、Aのメイド服見てないんだけど』
｢、、え？！なんでメイド服着るの知ってるですか！｣
『黒ちゃんから聞いた』
着てよー見たいよーと隣で駄々をこねる先輩。
｢もうシフト終わったから無理ですー、｣
と言っても聞いてくれない。
『じゃあ俺のために着て？俺もこれ着てるからー』
湧先輩のクラスはコンカフェで、全員学ランを着ている。
少し着崩しててかっこいいな、
｢あっ、じゃあ私も着るので、！
あの、プリ、撮りません、か？｣
『うわあり、撮ろーね』
先輩嫌がるかと思ったけどよかった。
でも他の人にも見られるのか、なんて
ぶつぶつ言ってたのはこのときの私には聞こえてない。
文化祭が終わり解散になると、空き教室に呼ばれた。
『俺どうしても撮りたいのあってさ、』
とカメラマンとして呼ばれた光輝くんにスマホをわたす。
何をするのかなと思っていると体が浮く。
｢え、ん、え？｣
『大人しくしててくださーい』
人生で初めてのお姫様抱っこは湧先輩。
｢え、嫌味！？なにこれ！｣
『うるせぇ笑 早く撮れって笑』
この写真は顔を隠してストーリーに載せた。
『絶対載せて、これ以外はだめね、』
本当は1枚も他の人に見せたくなかったけど。
あのストーリーの後、学校に行くとたくさんの人に聞かれた。
｢Aちゃん、｣
｢光輝くん、｣
あの後1度も話してなかった光輝くん。
｢あのときはほんとにごめん、俺、｣
湧先輩に見つかったら怒られそうだけど
また2人きりになった。
｢好きな子が幸せなら俺も幸せだから！｣
これからも仲良くしてくれなきゃ怒るからなー！
なんて言う光輝くんは元気で私も自然と笑顔になれた。
それからはまた、湧先輩と普通すぎる日々を過ごした。
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@ryusesama
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作者名：深田のりゅ | 作成日時：2024年3月9日 17時
