気づいた。 ページ25
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8月になり私たちの学校では文化祭の準備が始まった。
委員長が中心になって、毎日1日がかりで作業をする。
できれば1日準備を手伝いたいが私にはバイトがある。
｢今日って先輩もバイトですか？｣
と先輩にLINEをする。
『今日バイト。Aも一緒でしょ？』
先輩もスマホを見ていたのか、すぐに返事がきた。
｢一緒に行きませんか？｣
『言われなくてもそーするつもり。教室で待ってて』
教室まできてくれるんだ！
、、？
教室って、まってまって、
｢昇降口で大丈夫です！！｣
今日に先輩来たら私、、
『俺が行きたいの』
もう一度『待ってて』と言われ、会話が終わった。
そろそろ来るかな、なんて考えてるから作業は集中できなくて、
何度もちらちらとドアの方を見ちゃって
｢なんかあったの？笑｣
と一緒に作業してる友達に笑われてしまった。
『Aー、』
しばらく作業をしていたら呼ばれた。
少し前までは、あそこで先輩が呼ぶ名前はいつも黒田くんだった。
事前にまとめておいた荷物を持って入口で待つ先輩のところに。
｢え、湧先輩？｣
｢なんでAちゃんが？｣
とクラスの女子が話してるのが聞こえたが、そんなこと気にしない。
『あー、教室嫌だった？』
｢え？｣
『いや、付き合ってるのばれたくなかったかなって』
｢んー、、あんまり騒ぎになるのは嫌ですけど、湧先輩となら、｣
『あーまたそーゆーこと言っちゃうんだ』
｢え、｣
私なんか今変なこと、、
『そーやってすぐ可愛いこと言う』
それだけ言ってさっきよりも速く歩き出してしまった。
｢わ、え、待ってください、！｣
私も急いで追いかけた。
あの人に見られてるとも知らずに。
▽
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作者名：深田のりゅ | 作成日時：2024年3月9日 17時
