せんぱい。【Waku.M】 (ページ22)

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湧先輩とこうやってお出かけするのは初めてだった。

放課後一緒にバイトに行ったり、

バイトが終わってからご飯を食べに行ったり、

いつもは少し一緒にいるくらいだったけど、今日は違う。

今日の湧先輩はなぜかいつもの何倍もかっこよく見えて、

すでに緊張していたのに、さらに心臓の音がうるさくなる。

ぎゅっと手を繋がれたまま、水族館の中を見て回る。

「わっ、すごい、！」

『でけーなこれ、』

目の前に広がる、この水族館で1番大きな水槽。

大きな魚から小さな魚まで、

2人で圧倒されていた。

『さっきの可愛かった笑』

「え？」

話を聞くと大きな水槽に驚いて出した声のことを言っているようだ。

無意識に出していたのかと思うと恥ずかしくなる。

水族館は暗いから顔が赤くなってても見えないよね、

先輩の顔を見ててもばれないよね、

今日は先輩を独り占めできるんだ

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