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｢翔を産んで育てるために
私はあの日、あなたの前から消えたの｣
完全にフリーズした彼を横目に
｢ママー！とってきた！｣
｢翔、それかっこいいね｣
口に出してしまったからだろうか
いつもよりも翔が紫耀に似て見えた
｢しょーくん、これねママがかってくれた！｣
何も知らない我が子の笑顔を
紫耀は真剣に見つめた
そして
あっ、と蚊の鳴くような声でリアクションしたのは
ここにきてようやく
翔が自分にそっくりだということを
認識したからだろう
そのまま
すっと立ち上がって
玄関から出て行った
今度は彼が私の前から消えていった
終わった
｢ママ、しょーくんどこいったの？｣
｢紫耀くんはね、お仕事かな｣
｢そっかぁー、じゃあまた今度かけるのぱわー、わけてあげよーっと｣
翔がこんなに心優しい子に育ったのは
紫耀
あなたの子だからなんですよ。
ーーーーーー
｢ちょっとー紫耀！大丈夫？｣
｢珍しいじゃん、お酒なんて｣
変な夢見てるんじゃないかって
思って
浴びるほどお酒を飲んだ昨晩
おかげで次の日はご覧の有様
二日酔いを極めてる
｢翔は紫耀、あなたの息子です、｣
淡々とした口調で発せられたその言葉が
何度も何度も頭をめぐってはなれない
でも、、
まさか、、そんな、、
｢もう、俺、ダメかもしれない｣
｢えええ、なに？仕事で嫌なことあった？｣
我が子が生まれた瞬間も
初めて笑ったのも
初めて話したのも、立ったのも
全然見逃した
Aとの空白の4年間は
あとからでも埋められるけど
我が子との空白の4年間は
絶対に埋められない
｢翔を産んで育てるために
私はあの日、あなたの前から消えたの｣
19歳の彼女の決断の意味が
全く理解できない俺は
そうとう子供らしい。
消える必要なんてなかった
2人で育てればよかったし
2人で育てたかった
なんで無理して1人になったのか意味がわからない
｢ねえ｣
｢んー？｣
｢俺の息子って、、どんな感じだと思う、？｣
｢えー紫耀の息子？笑
まずは小顔でイケメンでしょ｣
｢運動神経も絶対いいよね笑｣
｢でもたぶんアホやろ笑｣
俺の架空の息子を想像して爆笑するメンバーは
とても平和だった
｢紫耀の息子なんて、将来が楽しみだね｣
翔の将来、、
｢紫耀、親バカだから絶対子供にお金かけまくりそう笑｣
｢それ！笑
なんか変な塾とか通わせそう笑｣
翔には
幸せになって欲しい
心からそう思うのは
やっぱり俺が
彼の父親だからだろうか
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みさき(プロフ) - 続編出して欲しいです。 (2020年3月15日 19時) (
レス) id: eb3d2a29bc (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 続編希望します (2020年3月14日 13時) (レス) id: a5aa3549d3 (このIDを非表示/違反報告)
piyopiyoppp0317(プロフ) - 続編希望します！！！！！ (2020年3月14日 2時) (レス) id: 88e009bc8f (このIDを非表示/違反報告)
しゅうか - 楽しく読まさせて頂きました！続編も楽しみにしています！！ (2020年3月13日 16時) (レス) id: 161c4bc6da (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 最後の行ってきますパパで全部飛んだんじゃないかくらいの衝撃を受けました。全てをうちあけたのか、呼び方を変えただけなのかはわかりませんが。笑 (2020年3月13日 14時) (レス) id: b54a6cc2bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瞳
| 作成日時：2020年2月22日 22時
