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ランス「グラビオル」
と呪文を唱えると、ビンが重力によって更に速く落ちていく。
ランス「どうする。キノコ頭…」
と言いながら振り返ると、マッシュが制服を脱いでトレーニングウェア姿になっていた。
そして、トーン、トーンと一定のリズムでジャンプする。
ランス(…は?)
そして、左膝と両手を地について、呟く。
マッシュ「ハムストリングス魔法…」
ランス(ハムストリングス魔法だと…!?聞いたことないぞそんなの!?
しかもあれは…)
マッシュ「ビッグバンダッシュ」
ランス(クラウチングスタートだと!?)
マッシュ「負ける選択肢も、助けられない選択肢も、
僕にはない。」
そう言うと、マッシュは辺りの木を吹き飛ばす程の速さで走り出す。
ランス「なっ…!?」
ランスさんがすぐさま振り返るも、そこにマッシュはいなかった。
その瞬間、マッシュは既にランスの後ろ…元いた場所にビンを持って立っていた。
ランス(な…?まさか今の一瞬でガケを降りてビンを拾って戻ってきたのか?
信じられない…身体強化魔法なのか…!?
まずい…なにを弱気に…オレは妹のために…!)
そう思ってバッと振り返り杖を構えるも
マッシュ「やめにしよう。」
とマッシュが言った。
マッシュ「なんか、君そんな悪い奴じゃないだろ。
やめにしよう。もうこの戦いは。」
ランス「…は?」
ランスさんは目を見開いて茫然とした。
マッシュ「このビンも空だったし。ダミーじゃん。」
そう言ってマッシュがランスさんの元に歩み寄る。
そしてランスさんのローブの中に手を突っ込むと
マッシュ「ハイ終わり。」
と言って、私たちが入っている本物のビンを手にした。
トム/レモン「ワァアアア」/「キャアアア」
手を上げて感激するレモンちゃんとトム先輩とは裏腹にフィンくんは相変わらず頭を抱えて泣いていた。
いつまでそのポーズと顔してるんだろう…
ランス「な…なんでだ!
このまま続ければ、お前は銀の
ふざけてるのか!?」
とランスさんが慌てたように聞いてくる。
マッシュ「いや別にふざけてないけど。」
マッシュはそれに、いつもの調子で淡々と答えた。
ランス「じゃあなぜ…!」
マッシュ「んー…まぁ、
なんでも合理的に判断できるほど、器用じゃないから。僕。」
ランスさんはまた目を見開いた。
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作者名:イルカ x他1人 | 作成日時:2024年3月6日 19時