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それに、忘れられがちだが、私は最弱である代わりに最強の運を手に入れた女。
こんな迷路なんて、適当に歩いていれば着く。
しかし、それじゃあなんだかダメな気がして、訳もなく迷路内を彷徨っていた。
すると
?「クソ…一体どうすれば…」
大穴のそばに立って頭を抱える男を見つけた。
善行を積極的にしてきたクセで、私はその人に話しかけた。
ニーア「あのー…どうしたんですか?」
?「…?あ、ああ…俺としたことが…妹をそこの穴に落としてしまったんだ…!」
と自分の行動を悔いるように苦しそうに彼は打ち明けた。
ニーア「ふむ…」
そう言って穴を覗き込んでみると、そこには大量の虫たちが蠢いていた。
私は森育ちで、こんな気持ちの悪い虫たちなんて腐るほど見てきた。
とはいえ、流石にこれは少し鳥肌が立つ。
ニーア「この中に妹さんが…ッ!?」
私は彼の顔を見て絶句した。
左目の下に、2本線のアザがあったからだ。
?「…どうした?」
とその人が困惑したように聞いてくる。
ニーア「…あ、なんでも…ないです…で、妹さんがいるのが分かってるなら、何故行かれないのですか…」
マッシュに「敬語やめて」と言われて絶賛練習中だが、流石に二線魔導師を前にしてタメ口は厳しかった。
?「あ…む、虫だけは…苦手なんだ…」
と私から目を逸らしながらその人は答えた。
ニーア「(なるほど…コレが俗に言うギャップ萌えですな。それに、よく見るとイケメンだし…多くの人が黙ってなさそう。)…なら、分かりました。私が行きましょう。」
?「えっ…!」
二線魔導師さんが何か言いかけていたような気がするが、それを無視して私は穴に飛び込んだ。
すると、虫たちが一斉にこちらに襲いかかってくる。
それを運のパワーで転んだり跳んだりしながら回避していくと、奥の方に、輝く物が見えた。
確信はないけど、そこに妹さんがいる!
そう思えた。
私はその光に向けて手を伸ばし、それをしっかり掴んで穴から急いで這い出た。
ニーア「っ、はぁ!…はぁ…はぁ…あ、貴方の落とし物…これ、ですか…?」
と言って私が差し出したのはロケットだ。
ロケットを妹と呼ぶってどういうことだ…?と思うだろう。
でも、私の勘がそう言ってるのだから大丈夫。
?「嗚呼。間違いない…ごめんな、アンナ…お兄ちゃんが不甲斐ないばっかりに…」
多分、ロケットの中に妹さんの写真でも入っているのだろう。
・(☆)→←第2.5話 ニーア・シトロンと闇の深い試験(☆)
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あやなみ。(プロフ) - イルカさん» 遅くなりごめんなさい!!ありがとうございます!イルカさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (4月14日 15時) (レス) id: a35c692ff9 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - あやなみ。さん» いいんですか!ありがとうございます!ぜひお願いします! (3月22日 16時) (レス) id: 6fba0695af (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - イルカさん» こんにちは、とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます! (3月21日 15時) (レス) @page50 id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 皆様ノリ良すぎ…なんか後ろをちょこちょこついてくる雛みたいでかわ…//(なんか失礼) (3月1日 21時) (レス) id: d56883c9cd (このIDを非表示/違反報告)
Mentaiko(プロフ) - シャーペンの端さん» ウェェア( ˙-˙ ) (2月29日 5時) (レス) @page34 id: de84221f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イルカ x他1人 | 作成日時:2024年2月17日 22時