【HQ】元音駒マネは現青城マネでクロの彼女らしい【黒尾鉄朗】

▲番外編▽ クロの誕生日 2 ページ49

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普通に話して、笑って、肩を並べて歩く帰り道
大勢からの2人きりだと、会話が止まっちゃうかな、なんてのは杞憂で、あくまで普段通り。


そしてそのまま、あっという間に、2人が分かれる交差点で


一瞬立ち止まって、向かい合う。



「あー、、、そんじゃあな、気をつけ「先輩」ん、何？」



テンパって思わず被せちゃったああああ！！
でもここまできたら、言うしかない、がんばれ私



「…これ、個人的に、なんですけど…良かったら使ってください」



顔が赤いのは自覚済み
必死に下向いて手提げカバンから綺麗にラッピングされた袋を出す



「…まじで？」

「…嘘です」

「おい」



そっと顔を上げれば、目があって、2人同時に吹き出した



「ありがとな、今開けてもいい？」

「どーぞ！」



ガサガサと袋を開ければ、出てきたのは部活で使えるタオルと、
シンプルなデザインのシャーペン、あと



「ストラップ…？」

「はい！」



手のひらサイズのフェルトで出来た、音駒のトレードマークでもある、真っ赤なユニフォーム
片側には数字の １ とアンダーバー。
3年生が引退して、クロ先輩が引き継いだ、大事な番号と、主将の証。
手作りって重いかなって思ったけど、折角だし！ と思って袋に入れた。



「すげぇ、手作り？」


「一応…？ もし重かったら捨ててください！」


「一応って(笑) てか、捨てるわけないだろ。

…今日もらった中でいちばん嬉しいわ、さんきゅ」


「…いや、えっと、そういっていただけると嬉しいです…」



ほんの少しだけ先輩の顔が赤いような気がして、自惚れたくなる。
そんな風に言ってもらえるとは思ってなくて、思わず俯いた。


「「…。」」



なんか無言になっちゃって、
でもなんで切り出したらいいかもわからず下を向いた



「…っあのさ」


「っはい」


「…家ここからどれくらいだっけ、やっぱり送ってくわ

…ほら、暗いし、危ないし」


「…え」


「あー…嫌？」


「っいえ！ 全然嫌じゃないです！ むしろ、嬉しい、です。はい。」



びっくりして、テンパって、思わず本音が出ちゃって、
恥ずかしくなってだんだんと語尾が小さくなる



「…よかった、んじゃ、帰ろうぜ」


「あ、ありがとうございます」


「おう」



そう言って、また2人で肩を並べて歩き出した







そんな2人が付き合うまで
あと一ヶ月とちょっと



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