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玲於side
待ち合わせの16:00には早すぎる時間に家を出た
「…さっむ」
一人でいるには寒すぎる今日
周りを見渡せばカップルがいちゃいちゃしてやがる
16:00を過ぎても来る気配のないあいつ
まじで？あいつまじでこないの？
待ち合わせの時間から40分が過ぎた
泣きそうになりながら家に帰ろうと踏み出した瞬間
A「…玲於くん！」
ちょっと高くて特徴のある声
聞き間違えなんてするはずのない、俺の大好きな声
「…A、」
A「ごめん、待たせてごめん、」
「…いいよ、そんなん全然いい」
A「顔、赤くなってる」
「…誰のせいだよ、」
俺の顔が赤くなってんのは
寒いからってのもあんだろうけど、きっと違う
俺が好きなブランドの服きて
髪も俺が好きなボブに切ってて
…かわいい、かわいすぎる
「…かわいい」
A「…え、もういっかい」
「ぜってえ言わねえ、」
A「…綺麗だね」
俺らの後ろにたってる時計台、きらきらしてて
何回も見てるはずなのに、特別綺麗に見えた
好きな人と見るイルミネーションって
こんなに綺麗なんだ
「…俺のとこ来てくれたって事は、さ」
A「そうだよ、玲於くんの事選んだ」
「まあ俺んとこ来るってわかってたけどな、」
A「…なにそれ」
亜嵐くんとこ行ったから遅くなっちゃったんだ、
そう言ったA
「…え、行ったの？」
A「うん、ごめんなさいってちゃんと断ってきた」
「…そっか」
A「…あ」
見上げると ピタっと頬に降って来る冷たい雪
ホワイトクリスマスってやつか
「…なんか俺ら、遠回りしちゃったな」
A「ほんとだね、ずっと近くにいたのに」
「…春んなったらププも一緒に桜見に行こうな」
A「そうだね」
「夏は海でスイカ割りしたい」
A「海入んないの？」
「秋は山登ってバーベキューしよ、」
A「いいね、それ」
「…冬は一緒にこたつでみかん食お」
A「ねえ、ちゃんと言ってよ」
気がつけば薄っすら雪が積もってて
Aの髪にも雪がついてる
「…付き合おっか」
A「付き合おっか」
ふふって笑ってAの事抱きしめた
髪についてる雪、優しく払ってやって
もう一回向き合った
「…絶対幸せにするから、離れないで」
A「うん、離れない」
雪の中、初めてAとキスをした
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作者名：ゆらん | 作成日時：2017年12月3日 14時
