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なんだかすっきりしないまま朝を迎えて
顔を洗ってふと鏡に映った私
やっぱり悲しそうな、訳のわからない顔してる
元気が出ない理由はもちろん昨日の出来事で
真理さんに電話しようかな、そう思ったその時
「…ママ?」
マ「久しぶり、元気だった?」
合鍵使って急に家に来たママ
どうして助けて欲しい時、わかるのかな
「…それでね、さっき話した玲於くんと会社の同期の亜嵐くんにクリスマス…誘われて、」
マ「正直に、Aの思うようにすればいいの」
「…そんなのわかってる」
マ「嬉しい時も、そうじゃない時も、1番に話したいのはどっち?」
「どっち…」
マ「一緒にいて楽しいのも勿論大切。だけど一緒にいて安心するのが1番大切でしょ?」
ママの言葉が心に響いて、涙が出そうになる
でも、2人とも本当にいい人なんだ
こんなのわがままだけと、選べないよ
玲「Aー、」
「…え、玲於くん?」
当たり前のように家に入って来て
私に何か言おうとして顔を上げてびっくりしてる
玲「…えっと、あの、」
「…私のママ。ママ、この人が玲於くんだよ」
マ「玲於くん…はじめまして、Aの母です」
玲「…あ、はじめまして、佐野玲於って言います」
たいした用じゃなかったみたいで帰るって出てちゃって
またママと2人きりになった部屋
マ「いい人じゃない、玲於くん」
「いい人だよ」
マ「あの人ならAの事、守ってくれそうね」
玲於くんのこと、あの一瞬で気に入ったみたいで
ずっと玲於くんの話ししてる
ママとこんな話するの、恥ずかしいのに
マ「じゃあママ帰るからね」
「…え、もう?」
マ「A、直感で決めたりしないで、本当にこの人だって思ったほうにすること、わかった?」
「わかった、」
全部話したらなんだかすっきりして
やっぱりママはすごいな、って
私が辛い時、遠くに住んでるのにわかっちゃうんだもん
「…どっちか選ばなきゃ、だめだよね」
静まり返った部屋に、私の声だけが響く
いつも一緒にいてくれる玲於くん
すっごい優しくしてくれる亜嵐くん
どっちも本当に私の大切な人
きっとどっちを選んでも幸せにはなれる
だけど、ちゃんと悩んで悩んで決めないと
私を好きって言ってくれた2人に失礼だから
クリスマスまで、あと2日
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作者名:ゆらん | 作成日時:2017年12月3日 14時