太陽と向日葵 (ページ38)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:41,539 hit

38 ページ38

.

亜嵐side

勇気出してAちゃんのこと誘って

いいよ、って言ってくれた時はまじで舞い上がった

正直もう嫌われたと思ってたから

今度こそリベンジして俺のイメージ覆すぞって意気込んで

いつもより朝早くに起きて

髪型ちょっと変えてみたり

ピアス新しいのおろしてみたり

「…やっべ、顔緩んでる」

自分でも気持ち悪いくらい

鏡に映る俺、にやにやしてて

Aちゃんのこと、本当に好きなんだって再確認

待ち合わせについた時にはAちゃんはもういて

あーやらかしたな、って

俺の方が早くついてた方がかっこいいのに

「…ごめん、お待たせ」

A「んーん、私も今来たとこ」

可愛い服着てて

髪の毛もちょっと巻いてて

俺とデートだからかな、とか考えるとまた顔が緩む

ちょっとでも俺のこと見直してほしくて

一生懸命エスコートした

イルミネーション見たいね、行こっかってゆう

軽いノリで見に来たところでAちゃんの携帯が鳴った

「…あ、隼くん」

ちょっとごめんね、って電話に出たAちゃん

近くで電話してるからAちゃんの声も当然聞こえてくる訳で

え、玲於？

電話の相手は隼なはずなのに玲於がどうとか言ってる声

なんか泣きそうな顔してる、すっげえ嫌な予感

A「…亜嵐くん、ごめん」

「え？」

A「…本当にごめん、私帰らなきゃ」

「…え、ちょっと、Aちゃん、」

A「玲於くん辛いって、熱なんだって、」

本当にごめんって何回も謝ってきて

俺が止める間もなく走っていった

カップルで賑わう広場に、ひとり取り残された俺

なんだろう、ありえないほど悲しくて、寂しい

私帰らなきゃ、って言った時のAちゃんの目

必死そうな声、泣きそうな顔

それは全部玲於へ向けられた感情であって

すげえ敗北感が襲ってきて

告白もしてないのに振られたような

玲於も隼も何も悪くないのにどうしようもなく腹が立つような寂しいような情けないような

いろんな感情が入り混じってる

俺はこんなに、こんなに好きなのに

Aちゃん、俺の事もちゃんと見てよ

.